2014年1月27日月曜日
映画「アワ・ラテン・ティング」の40周年記念デラックス・エディション
ファニア・オールスターズの1971年8月26日、ニューヨークのクラブ「チーター」で行われた(ここから、ニューヨークサルサが誕生したという)伝説のライブを収めた映画「アワ・ラテン・ティング」の40周年記念デラックス・エディションである。
映画丸ごとDVDと、そのライブを収めたCD「Live At The Cheetah Vol.1」「Live At The Cheetah Vol.2」、2枚つけて、正真正銘の「デラックス・エディション」である。 クソロックでよくある、アナログよりひどいリミックスされた、聞きあきた「名盤」とやる気のない演奏のアウトテイクとブートレッグより悪い音のライブを抱き合わせ無理矢理2枚組3枚組にして高く売りつける、まさにピストルズ終焉時のジョニー・ロットン云った「騙された気分」を実感しまくれる、理解しまくれる「デラックス・エディション」とは違う。
映画「アワ・ラテン・ティング」見逃していたオレとしては、まあ、DVDだけでも嬉しかった。
Our Latin Thing (40th Annv)
DVDの映画は、もう、何と云ったらいいか、実際、観てもらわんとオレの表現力ではムリである。だいたい、オレはサルサのことなんか、殆どわからん。そんなオレですら、凄い、というか、おぉおぉおぉ!と思うシーンの連続である。
字幕も入っていないし、ライブにはさまって、ニューヨークが一番汚くて危険な時代の、おそらく一番ヤバい地域の、小汚いガキやら明らかにヤバい風景が映し出されるが、70年代のダサい感じがまた、カッコ良く感じられるから不思議だ。
まあ、不思議も何も、まったく新しい何かが生まれそうになっているんだから、しゃあない。
ちゅうんで、一曲だけ、感想を書く。
80年代終わりあたりだったと思う、最初に、「Live At The Cheetah 」聴いたのは。当時は、心に「レゲエ命」の刺青入れてた頃、なんで買ったんか、わからん。
「Live At The Cheetah Vol.1」はたった4曲しか入っていない。長い曲ばっかり。最初イントロがカッコエエと思ったが、それだけ。でも、聴いたけど、全部、おんなじように思えた(これだけの、音楽の感性の持ち主だ、仕方ない)。
「しもたなぁ、失敗したか」と、せっかく買ったんだから、そのまま、音を流していた。
でも、えんえん続く同じような、というか、似たようなラテン系のリズムの羅列を聴いていると、もちろん、飽きる、ただ、飽きて飽きまくった後、そのうちオレの中の「飽きる」という反応を司る部分が麻痺してきた。ああら、不思議、そっからは、なんかもうタマランようになって、音の渦に巻き込まれ、ひたすら、「!!!」の連続である。
そうやって、最初にサルサというか、ファニア・オールスターズというか、アルバム「Live At The Cheetah」にハマったのが、「Quitate Tu」、16分45秒もある曲だった。
オールマン・ブラザーズ・バンドのフィルモアのライブに入っている「In Memory Of Elizabeth Reed」高校生ん時、買って以来、一度もまだ聴き通した事ない短気なオレとしては、当時、レゲエ聴きまくっていたとはいえ、不思議であった。
さて、その「Quitate Tu」という曲、映画「アワ・ラテン・ティング」の中でも、ムダに多人数のホーン、ムダに多いヴォーカル、ムダに過剰なパーカッション、ムダに多いコーラス、ムダに長い曲が始まる。もちろん、Wikipediaやその筋のホームページ見ると、そのそれぞれが、スゴい人ばかりなんだろうが、オレの知ったことじゃない。
・・・・曲の部分が終わった。
そして、確実にオレはある種の興奮の中におった。
演奏部分、やたらパーカッションのアンちゃんが張り切り始めたところで、ライブシーンから街で踊りまくっている人たちの変わって、再びライブシーンに戻るが、そいでも終わらない。延々音楽は続いている。
やがて、終わる、いや、終わらないでくれ。お願いします、もっともっと続けて下さい・・・と土下座したくなるほどであった。
やっぱ、凄い。
レゲエなんかも同じリズム延々、ちゅうのは得意だが、どっかノリを抑制するとこがあるのだが、これは、抑制するんでもワザとノリを煽るわけではなくとりあえず、ノリを爆発させようとするわけじゃなく、自然に任せて好き勝手やったら、とてつもないとこへ来ちゃった、という感じ。
まあ、オレはレイシストじゃないから、ジャマイカの人と日本人とラテン系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人がどうのこうの、いうつもりは無い。まあ、オレは全部おいしとこだけ、吸い尽くすだけである。
オレの例で云うと、「Live At The Cheetah Vol.1」のあともちろん、Vol2も聴いたが、そっから、ファニア・オールスターズやサルサにハマるわけでもなく、やっぱし、レゲエに戻って今日に至る、である。
あ、今思い出したが、フェラ・クティ、聴いた時のハマり方が、なぜか、ファニア・オールスターズの時に似ていた。 なぜなんだろう?
以上。
2013年8月8日木曜日
8月8日
今日も泳ぎに行く。だんだん、調子が戻ってきた感じ。ただ、どんどん、アホになっていく感じもする。 「あまちゃん」で夏ばっぱが云うていたが、酸素を一番使うのが頭、頭使わんかったら、長く潜れる、を実践している感じ。潜るんも、泳ぐのも、まあ、一緒。
スワローズ、3連勝。奇跡。
「紅の流れ星」ようやく、DVD化された。もちろん、8月初めに届き、そっから、何度も観返してる。
それまでは、VHSをすごい苦労して、mp4に変換したヤツ観ていたんであるが、やはり、画像の美しさ、映画のサイズからテレビの画面サイズに変換がどうのこうので、VHSではカットされてた、画面の端っこ部分もちゃんと観ることができて、嬉しいのってなんのって。
最初に言うたように、ただでさえアホなオレが、泳いで、余計にアホになっているんで、今のところ、こんなことしか書けないが、ちゃんとしたヤツ書きたい(よう考えてみたら、ブログ始めて、この映画の感想は、数回は書いている筈)。
まあ、オレが日本映画、いや映画では一番好きなヤツだからしゃあない。
2012年1月12日木曜日
ストップ・メイキング・センス、観た

Talking Heads - Stop Making Sense [DVD] [Import]
(註 オレは、英Amazonから安くやすく買った)
ちょっと、このごろ、70年代前半のグラム・ロックやら、売れない頃のモット・ザ・フープルとか聴いているのだが、やっぱ、このトーキング・ヘッズのライブ観ると、ホッとする。
まあ、パンクやニューウェーブ、今でこそあれやこれや、云われているが、実は、ミュージッシャンとその音楽を聴く者の垣根の無さ、ぶっちゃけて言うと、「これぐらいならワシらでもできる・・・!」感にあるのだろうと思う。
有名なオープニングで、デヴィッド・バーンがアコースティックギター一本とラジカセ持ってあらわれ、弾きながら歌っているうちに、途中、ケッタイなリズムが混入しはじめて植木等ばりにずっこけそうになるとこなんか、カッコ良すぎてカッコ良すぎて、もう、どうしようと思う。恥ずかしながら、マネしたくなるのだ。まあ、その後、曲を続けていくうちに、1曲毎にベースが入り、ドラムスが入りして、どんどん音が変わっていくとこも、エエ。
デヴィッド・バーンの敷居の低そうな(ホンマはもの凄く高いのかもしれんが)、カッコ良さに、「・・・カッチョいい」と思った。
おそらく、今回、十・・いや二十何年かぶりに観返してやはり、多分、当時と、まったく同じところで、「・・・カッチョいい」と思ったに違いない。時間が止まっていた。懐かしい、すら思わないから。
デビット・バーンは、ヘッドスパンクし、走り、ライトを倒したり、そのカッチョいいと思ったシーンをひとつひとつ挙げていくとエラいことになるので、あと一つだけ、最後の「Crosseyed And Painless」の始まりが、まるで、AORみたいにソフト&メローで始まって、こっちがうっとりし始めた瞬間、堰を切ったように始まる怒濤のノリか。あたりまえすぎて申し訳ない。
・ちゅうことで、中学高校の頃聴いた音楽、今聴こうとすると、「あー、ひょっとしたら、当時、こういうのがカッコ良いと思ってたんだろうなぁ」とスゴいしんどいのであるが、今の価値観やカッコ良さを感じる心のまま、聴いても、素直でいられるから、楽である。
でも、これだけ、トーキング・ヘッズのスゴいステージ観ても、曲そのもの一番好きなのは、トム・トム・クラブ(トーキング・ヘッズの中のベースのティナお姉ちゃんとその旦那のグループ)「Genius Of Love」だから・・もっと進化していないのかもしれん。昔から、むさ苦しい兄ちゃんやおっさんが、「ロック」をやり、それに男が熱狂する、ということには、非常に大きな疑問を感じていたわけである。ティナ・ウェイマスはなぜか生活感を感じてしまう容姿だが、ガニ股横走りしてくれたので、良しとしよう。
2009年12月3日木曜日
アハハ編
月末、県と市に納税無事すまし、ようやっと、ほっと。
昨年度放映されていた「おねがい!!マスカット」の総集編DVD「アハハ編」、早速届く。
早速観る。早速見終わって、また、早速見返す。早速、同じ箇所で声に出して笑う。
大満足である。
これほど笑ったのは、「おねマス」の番組そのものを除くと、「ゲバゲバ90分」のDVDに入っているど突き家族のシーン以来である。
まあ、このDVD,それよりもなによりも、日本人が否、人類が、今後長きにわたってずっと記憶されるべき瞬間、すなわち、「私を窓辺に飾ってよ いい花咲くよ」と「あんまりほっておくと、月へ帰っちゃうよ」が、この世に吉沢明歩から生み出される瞬間が記されているのであーる。この二つの場面、一瞬、「聖なるもの」がよぎるのであーる。日本のテレビが50年か60年かけて到達した一つの頂点であろう。
ただ、90分のDVDだ、まあしゃあない、大久保さん乱入シーンも納められているが、大久保さんが乱入する布石となった、前週放映分の蒼井そらのスカットテレフォンが入っていないので、なんかようわからんもんになっているが、ここでは、おそらく、オレがこの番組にハマるきっかけとなった蒼井そらの「やめろよ」「やめろよ」「やめろって!!」が観られるし、窓辺や月へと並ぶ「テメー、何センター坐ってんだよ」という「おねマス3大名ゼリフ」の一つを、蒼井そら、初音みのり2連発、そして吉沢明歩の豪華競演がみられる(もっとスゴかった気がするが、実際の放映ではどうだったのか・・・YouTubeではもう観れないのが惜しまれる)。
このおねマスのオモロさ、どう伝えてええのかわからん。「単なるスケベ心やないか?」と思われたら、そうかもしれん、と答えるしかない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/おねがい!マスカット (2008年4月8日 - 2009年3月31日)
http://ja.wikipedia.org/wiki/おねだり!!マスカット (2009年4月6日 -)
ただ、今、ゴールデンでやっているような、CM後に期待させてちょん切ってCM再開後まただらだら同じシーンをつなげる、とか、 身内同士であらかじめ用意された身内ネタをしゃべっているのをえんえん聞かされる、とか、収入から云うて自前で金出して喰えばええねん、といいたくなるようなグルメもんを、大げさに旨そうに喰う嘘くさいシーンの羅列とか、自分の「好感度」を大事に大事に計算しながら、ヤバいことをセコくセコく暴露していくとか、一切、ないのであーる。それだけでも、充分なのである。
まあ、なりふりかまわず、一つの目標にむかっている沢山のおねーちゃんたち、それも全員、ミニスカ、という番組を観るのは、楽しい・・というだけかもしれん。
ぐだぐだ、ぐずぐず(この番組観るようになって初めて知った単語)、というのも、 この番組の持ち味で、オレがここで、ほめまくっているから、眠いの我慢して最初に「おねマス」観たら、えんえん30分、麻美ゆまがひとりで唄っているだけ(註 オレは大好きだけど)、というのがあっても、文句を云うてはアカン。
来春発売される「ウフフ篇」には蒼井そらのダメ出しドキュメントが入ってますように。
2009年5月16日土曜日
DVDが安くなったりしてる・・・
神戸祭りなのに、雨。
離宮公園の花火が虚しく夕方、ぽすぽす言うていた。
かててくわえて、神戸東部の高校では、豚インフルエンザだし、うーん、神戸はどうしてこうも、かつてのエイズ騒動から震災とか、都市的に「不運」なのか、わからん。まあ、民主党も、不運な結果に終わってしまいましたね。
スワローズ、またも、阪神タイガースに勝つ。
しかし、敵ながら大丈夫だろうか。正直、スワローズ、打線、ボロボロなのだが、肝心のタイガース、途中から突然やる気が明らかに無くなってしもてた。やっぱ、金本に引っぱってもらわんと、ノれないのかな。・・・ちゅうて、こうやって、勝ったもんだから調子に乗ってると、明日以降、突如金本がスワローズ戦に限ってバカ調子出して、ボロんちょろんにやられてしもたりして・・・くわばらくわばら。
アマゾン、なんかDVDがすごく安くなっている。
たとえば、マリリン・モンローのボックス、これなんか、定価が2万円越えるのに、なんとまあ、 4180円である。七枚組で、この価格なのだ。
<作品内容> ■恋愛アパート(1951年度作品) キュートで誘惑的なマリリンの魅力満載! 新米大家と店子たちが繰り広げる恋愛アパートの人間模様。人生って面白い! 監督:ジョセフ・ニューマン 出演:ウィリアム・ランディガン/ジューン・ハーバー/マリリン・モンロー■モンキー・ビジネス(1952年度作品)
マリリンのコメディエンヌぶりが楽しめる、賑やかで夢あふれるファンタスティック・コメディ!
監督:ハワード・ホークス
出演:ケイリー・グラント/ジンジャー・ロジャース/マリリン・モンロー■結婚協奏曲
初々しいマリリンの魅力満載!(1952年度作品)
そんな、結婚が無効なんて……! これってラッキー? それとも?……
監督:エドマンド・グールディング
出演:ジンジャー・ロジャース/フレッド・アレン/マリリン・モンロー■ノックは無用(1952年度作品)
陽気なセクシーガールから大きな転身をみせたマリリン主演のスリリングな本格派サスペンス
監督:ロイ・ベイカー
出演:リチャード・ウィドマーク/マリリン・モンロー/アン・バンクロフト■百万長者と結婚する方法(1953年度作品)
マリリン・モンロー、ベティ・グレイブル、ローレン・バコール共演で贈るロマンティック・コメディ
監督:ジーン・ネグレスコ
出演:マリリン・モンロー/ベティ・グレイブル/ローレン・バコール■ナイアガラ(1953年度作品)
■紳士は金髪がお好き(1953年度作品) セクシー&コミカルなマリリンの魅力が炸裂!見所満載の豪華ミュージカル・コメディ! 監督:ハワード・ホークス 出演:マリリン・モンロー/ジェーン・ラッセル/チャールズ・コバーン
魅惑の"モンロー・ウォーク"初披露!演技力も高い評価を受けたマリリン代表作の1本!
監督:ヘンリー・ハサウェイ
出演:マリリン・モンロー/ジョセフ・コットン/ジーン・ピータース
エイリアンのシリーズもんも、8枚組で3,000円という投げ売り状態である。カスタマーレビューでの☆は少ないが、定価(15,000円)ベースで高いとかの話。三千円だったら。
あと、400円とかで殺しのドレスやらキャリーやら。レンタル並である。
なんでなのか、ようわからん。ブルーレイがどうのこうのとか、の影響だろうか。
ちょっと最近、主題曲(ニルソンの「うわさの男」)が気になり、サントラでも買おかと思てた「真夜中のカーボーイ」ですら、612円。こうまで安いと、サントラ買わんと、DVDからあれやこれやして、動画にして聴いた方がエエわけで。
真夜中のカーボーイ [DVD]" (ジョン・シュレシンジャー)
アメリカのニューシネマと呼ばれる一連の作品の中では、今、観返してもええかなぁ、と思える数少ない作品である(音楽とジョン・ボイドの朴訥ぶりがエエ)。
2009年5月13日水曜日
アタシをトラルファマドール星へ連れてって
「スローターハウス5」、届く。早速、観てしまう。戦時中のドレスデン、現在(ちゅうても1950年代アメリカ)、そして、トラルファマドール星を行ったり来たりする展開なのだが、その繋ぎが全く気にならない。完全なシームレス。素晴らしい。奥さんのキャデラック事故あたりから、涙ぐみっぱなしになる。ま、そういうものだ。
テレビで観たのは、高校か浪人中だったか。吹き替えのトラックも入っていたので、カットした部分とかわかって良かった。あの女優さんのおっぱいばんばん見えとったがな。ま、そういうものだ。
ヴォネガットが「小説よりよくできている」と云っただけあって、映画というフィルター越しであっても、広島長崎に匹敵するほどひどかったといわれるドイツのドレスデン爆撃を捕虜の米国兵として体験したヴォネガットならではの「何か」が伝わってくる。
その「何か」がホンマは一番大事なのだ。オレにはうまく、よう説明できへんが、ま、そういうものだ。
そいで、最近のうちの国で使われる「平和」「戦争」ちゅうもんがどんどん、 使い方が難しいだけの厄介な単語みたいなもんになっているのは、ホンマに体験した人たちがおらんようになってきたためやないか、という単純で簡単なことに気がつく。無理矢理、戦争を風化させたらアカン、として新聞とか終戦記念日あたりになにやら、やっているが、すっかり風化してしもてることに気がつかず、無理矢理、断片だけを取り上げたり、理屈とか駆使しまくってあれやこれやこじつけるから、もう、何の意味が無い。そもそも、憲法の一文如きで、人類が一番好きなこと、放棄したり、やるの我慢したり、来るのを拒否できるわけないじゃないか。そういうものだ。
・・・しかし、DVDには封切り時のチラシが入っていて、同時上映が「アメリカン・グラフティ」というのだから!ま、そういうものだ。
今夜はスワローズ、勝つ。ま、そういうものだ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/スローターハウス5
2009年4月28日火曜日
ヘアピンサーカス
"ヘアピン・サーカス [DVD]" (西村潔)
東宝、1972年。西村潔監督、現役レーサーだった見崎清志、女優は江夏夕子・・・というより、主演女優トヨタ2000GT、主演男優サバンナRX-3助演セリカとアルファロメオのなんちゃら友情出演にマカオGPに出場されてたフォーミュラカーのみなさん、という方がふさわしいぐらい、のクルマの映画である。
60年代でも日活でもない。んで、あーんまし期待しないで観たら、これが。
ひょっとしたら、凄い映画かもしれん。
いや、凄い映画である。
だいたい、クルマ同士のラブシーン、いや、セックスシーンちゅうの、生まれて初めて観た。
最初タイトルバックに夜の首都高をもうエゲツない運転で堅気のトラックやらタクシーやら を蹴散らしながらぶんぶん云わしながら、疾走するシーン。このリアリティのスゴさ!
かつて、腕に覚えのある(自称)ヤツのクルマ、助手席に座った時の、恐怖を思い出したほどである。「おまわりさーん!」の世界である。「せまい日本、そんなに急いでどこへいく」の世界である。「注意一秒ケガ一生」の世界である。いや、今夜でも、免許取り消し覚悟で阪神高速乗れば体験できそ・・・嘘です。まだ、死にたくありまへん。
まあ、あたりまえで、ホンマに72年か71年の首都高、サクラ使わず、堅気のクルマが走る中、カメラ載せてぶっ飛ばして撮っているだけなのである。
まあ、ストーリーちゅうのは、要は自動車教習所の教員とその生徒(女)とのラブストーリーになるのか。二人は終わるまで、ベッドシーンはおろか、キスひとつしない。二人の会話だって、男の方はあくまでも、教習所の教員レベルで安全運転のことばっかししか女に云わないし、女は女で、教習所で邪険にされたこと根に持っているしか見えないようなことしか云わないのだから、不思議といえば不思議である。
男はかつてレースで親友を殺してしまったのをうじうじ悩んでるみたいな感じなのだが、女は調子にのりまくってる。免許取って1年にもならないのに、クルマ三台乗り潰した挙げ句、ついには、イエローのトヨタ2000GT(このクルマがどれほど高かったか、はリンク先)に乗って、男3人従えて、夜中、暴走しては、ちょっかいかけてくるクルマを煽って本牧埠頭のヘアピンカーブまで引っぱり、そこで、事故らせては喜んでいるというタチの悪さである。73年以降の映画だったら、もうさらしに特攻服着てクルマはど紫に塗られて旗振っている世界だが、そこは幸いまだ72年、お嬢様お坊ちゃまファッションである。
そいで、ストーリー。ただ、一度だけ、女の方から、「キスして」と云った瞬間から男は徐々に本気になって、ようやっと、サバンナRX3(ケンメリGTRをレースから葬ったクルマだ、不人気だったけど)に乗って、女の2000GTを追いかけ始める。
90分ほどの映画、後半30分ほどかけて、クルマ同士のそれこそ「愛の世界」が描かれるのである。
この30分、オレはまったくその映像の世界に入り込んだ。彼女のおつきの2台のクルマと1台の750を葬ったあと、ある瞬間から、胸がキュンとなるほど、すばらしい、トヨタ2000GTとサバンナだけの世界がひろがる。ここばっかは、何書いてもしゃあない。感じるか感じないかの世界である。
あ、そいと、あんましエエ女とも思わなかった江夏夕子がある瞬間からスゴくエエ女に思えたし、同様にエエ男と思えなかった見崎清志も最後凄くエエ表情見せた。
俳優のアラが飛んでしもた。やっぱ、凄い映画であろう。 ちょっと手を伸ばせば届く程度の世界からごく自然に手が届かないとてつもない世界へ遷っていくのだ。
見終わって、不思議に、スコセッシ監督デ・ニーロの「タクシードライバー」を思い出した。サックスと夜の町、ぼやける街の光を背景にクルマという単純な連想だと思うが。そいで、「タクシードライバー」ちゅうのは、ひょっとしたら、イエローキャブとタクシードライバーの「愛」の物語だったんかいな、とか思った。 「タクシードライバー」はこの映画の4年も後、1976年の映画である。
そいと、72年当時の首都高やらヨコハマの町やらチェックしたかったが、元町以外、どこがどこやらわからんかった。まあ、それは後の楽しみにとっておこう。矢作俊彦の「マイク・ハマーへ伝言」はこの一年後あたりのこうした町や道路が舞台になっているんだなあ。
かててくわえて、オレがこのDVD買った、本来のお目当ての笠井紀美子、唄いもせんし、ちょろっと出てきただけであったが、まあ、もう、今やどうだってええことであるが。
2009年4月23日木曜日
GSワンダーランド、に関して感じたこと。
34のおっさんが、酒飲んで裸で深夜大暴れ、ちゅうのは、まあ、しゃあない。でも、そもそも、そのおっさんが34にもなって、なおも「アイドル」やっとることが異常なんであーる。ステテコ腹巻きどてらで真っ昼間からコップ酒片手に新世界あたり徘徊しとる34才が同様の行動とっても、事件にもならない。まあ、スワローズファンとして云わせて貰うが、何があったが知らんが、この三夜、連続して、スワローズファンは泥酔して大声で讀賣の悪口叫んでジャビットのぬいぐるみ食い破りたい(「全裸」は風邪引くので遠慮しとく)衝動をじっとガマンしとるのである。おっさんと云え34はまだ若造だ、辛抱が足りん!
"GSワンダーランド プレミアム・エディション [DVD]" (本田隆一)
30面下げておっさんが「アイドル」しなくても良い時代。その時代を舞台にした、GSワンダーランド、観た。観て、後悔した。しもた、映画館で観たら良かった・・・。
楽しかった。いやあ、爽快爽快。いや、こんな爽快な気分になった映画はひょっとしたら、初めてである。実際、この三夜連続讀賣戦の憂さがきれいに晴れたほどである。
細部あれやこれや云いたいとこはもちろん、ある。ただ、それは「ジャズ喫茶でのライブシーンでの女性客、倍の人数にしてくれ」「ミニスカ娘のさりげないパンチラシーンが数カ所は欲しかった」以外は、「オレならこんなグループ 出したるのになぁ」レベルのごく私的なもので、「ガタガタ言うんならお前もGS映画作れ」と云われたら、「すみませーん」と謝るレベルのものである。
しかし、贅沢な映画である。
時代そのものをフィルムの中に再現した上、架空のグループサウンズをでっちあげ、架空のライバルグループをでっちあげ、しかも、それに付随して大量の架空の曲をでっちあげ、それをでっちあげたグループに演奏させるのだ。しかも、筒美京平+橋本淳コンビに新曲まで作らせたりしとる。まるで、「映画」を「タイムマシーン」にして、あの時代にタイムスリップして、遊びまくっている感じすら、する。しかも、時代は68年から70年まで激動しまくっていく。
あと、嬉しいのは、ちゃんと、カルトGSというかB級GSに対しての「愛」を映画から充分に感じられるところである。
タイトルバックに流れるのは、ライオンズの「すてきなエルザ」(これは実在したグループサウンズの実在した曲)で、あの強烈に調子外れているコーラスまでもきっちり再現されているし、途中シングルジャケットだけで紹介されるのだが、ザ・クーガース、ダイナマイツ、レオ・ビーツ、ザ・ビーバーズ、ジ・エドワーズ、ジェノバとかカルトGSの面々でてくる。音があればもっと嬉しかったが、まあ、「ガタガタ言うなら、てめえで作れ」で終わってしまう要求だろう。
ライバルというか先輩の憎たらしい グループサウンズに、高岡蒼甫率いるナックルズというバンドが出てくるが、時代に迎合し69年になると、ど長髪ヒゲグラサンのヒッピースタイルになって、「ニューロック」しはじめるとこなんか、すごく笑えた。
GSにハマりまくった人間としては こたえらない映画であると同時に、際限なく自分の欲望、つまり、オレならこーするあーする、こーしたいあーしたい、を触発されまくる映画である。よくもこういう映画作ったもんである。
映画として、巧いなあ、と思ったのは、栗山千明の存在である。今まで、ホンマのGS映画(タイガースとかテンプターズやスパイダースが主演の映画ということ)観てきたが、美少年が揃っているとはいえ、メンバーみんな男だと、男のオレが観るとそのうちむさ苦しくなってくるのだが、この映画ではGSのメンバーの一人に栗山千明を加えることで、しかも、男装でタイツ姿という微妙なお色気があり、だれずにすんだ。
ストーリーも、それなりに胸キュンで終わる。今日日の映画みたいに難病や自殺やらあれやこれや詰め込んだり、アングラ系や全共闘系のややこしいややこしい難しい難しい問題入れたりしなかったので、音楽が頗る良質なフツーの青春映画としても、楽しめるだろう。
・ソロになっての栗山千明の曲、かなりエエ曲なのだが、サントラに入っていない・・・なんで??
・「海岸線のホテル」そらで口ずさんでいると、いつのまにか、オックスの「ダンシング・セブンティーン」唄っている・・・おれだけか?
"GSワンダーランド・オリジナル・サウンド・トラック" (サントラ, ザ・ライオンズII, ザ・ダイアモンズ, ザ・タイツメン, ラブ・ジェネレーション, ザ・フレッシュ・フォー, ザ・ナックルズ)
2009年4月19日日曜日
シェルブールの雨傘、日本盤DVD再発売
スワローズ快調。まあ、ボロが出るまで突っ走って欲しい。青木、絶対、日本で骨を埋めてくれぇ。あ、でも、讀賣いくぐらいなら、メジャーの方がええか。スワローズに一生おってくれぇ!
あーもーFA制度廃止せんかぃ。だいたい、日本の球団の貧富の差が大きいちゅうか、讀賣と阪神以外貧乏たればっかなんやから、単に、この二つの球団にエエ選手が集中するだけじゃ。フリーでもエージェントでもないわ。ぼけ。
ところで、長い間、何故か廃盤だったのが、7月17日にちゃんと出るらしい。
"シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]" (ジャック・ドゥミ)
ジャケットの青?イメージ的には、こういう青じゃないなぁ。
やっぱ、この映画ちゅうのは、素晴らしすぎるほどの音楽、それに加えて、登場人部全員のすべてのセリフが唄になっているほど徹底、映像は映像で、独特の原色基調の色づかいで徹底、平凡すぎるほどの陳腐なストーリー(遠距離恋愛ではよくあるパターン)で観客を「感動」まで持っていくのだから大したもんである。さすが、フランス人である。第二次世界大戦、実はドイツにぼろんちょんにやられ、降伏してれっきとした敗戦国やったのに、あの手この手つかいまくって、いっちょ前に「戦勝国」になって、国連じゃ拒否権まで持ったことあるわ。
実際、オレが最初、映画館で観たときは、映像と音楽が気持ちよく、途中寝てしもて、最終シーンあたり起こされて、見てたら、涙ぐんでしもたほどである。まあ、奇跡的にも、寝る前のシーンで二人で考えたガキの名前、覚えていたこともあるが。それにそれまで、松竹新喜劇風べちょべちょのシーン連続だったのだが、最後のシーンが、途端にクールになるとこも、カッコええ。
それにしても、オレが今年の初め頃、ポンド安だったころ、意を決してAmazon.co.ukで買ってしもたのだが、1000円しなかった。だいたい、カトリーヌ・ドヌーブの昼顔やらなんちゃら入った5枚組のボックスセットですら、16.48ポンド=2415.566円だから。イギリス人は恵まれとる。
ちゅうことでDVD手に入れたものの、まあ、映画としては、オレみたいな野暮な人間は、やっぱり、今も観かえすたんびに、中だれしてしまうのだが、BGVとして、流しておいて、ポイントポイントで楽しむにはこれ以上の映画は無い。ホンマ、カトリーヌ・ドヌーブが、主題の音楽に乗せて、健気にジュテームジュテームと唄うシーンは最高である。
2009年4月14日火曜日
巨泉×前武 ゲバゲバ90分! 傑作選 DVD-BOX
"巨泉×前武 ゲバゲバ90分! 傑作選 DVD-BOX" (VAP,INC(VAP)(D))★当時のテープは残存しないとされていた番組ですが、今回の発売に至ったのは日本テレビ麹町社屋にて偶然、番組のテープが発見されたため。劣化したテープを最新のテクノロジーにより修復してのDVD化です。
ひさびさに興奮した。買うぞ!!「いいたいこといってら、いいたいこといってら、いいたいこと、いいたいこと、・・・・おっしゃってぇん」
2009年3月4日水曜日
実録・連合赤軍 あさま山荘への道程、観てしまう
またも、寒くなってきた。
ずいぶん、間が空いてしもたが、そもそも、このオレが、"実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 [DVD]" (若松孝二)ちゅうDVDの感想文を書こうというのが、あまりにも無謀というか。まあ、しゃあない、観てしもたのだから。
だいたい、このDVD、見始めたはいいが、途中であんまりにあんまりなシーンが続いたもので、いったんやんぴして、二三日間を置いてあらためて、見返すというのがあった。
遠山美枝子役の坂井真紀の場面が凄すぎるのである。
それに、3時間はたっぷりある映画だし。
まあ、さすがに連合赤軍にかなり近い位置におった監督ということで、一方的に美化し、英雄視するような内容かと、ちょっと心配したが、学生運動の歴史とかちゃんと挿入してあって、小さな点はひっかかるものの、まあ、そういうのはこっちで修正できる箇所ばかりで、まあ、思想的にフラットな方だと思う。 以前、同じ事件を扱った映画、高橋伴明の"光の雨 特別版 [DVD]" (高橋伴明)があくまでも、密室に閉じこもった人間たちのあれやこれやで終わってしまったのに対し(これはこれでオモロイ)、こっちは、60年安保からの学生運動左翼運動の歴史の中の事件として捉えることも可能で、視野が広い。
あと、まあ、「光の雨」の方は永田洋子、こっちの「実録・・・」の方はなんといっても、遠山美枝子に、スポットライトが当たっているように思った。
ともかく、この映画で描かれているようなことは日本人なら知っておいてもらいたい。
仲間だった筈の人間を次から次へと断罪して、殺害していくわけであるが、他人の細かい細かい言動や態度、過去に遡ってまで、あげつらっては、「総括」する対象を見つけ出す永田洋子、その対象を次から次へと新手の「総括」の方法(かなりエゲツない)を考え出しては強要していく精神主義オンリーの森恒夫、このまるで夫婦漫才風コンピの良さ(実際、終わり頃、無理矢理に永田は坂口と別れ森と結婚してしまう)。正直に自己批判したら、即、総括というのがわかっているのに、尚かつ、自ら告白して、総括されて殺されてしまう(ダイレクトに処刑されてしまうヤツもいた)連中の健気なまでの正直さ真面目さ。
まあ、なんやかんやあって、ようやっと残った数人が逃亡の末、あさま山荘にこもってようやっと、ホンマの敵、つまり機動隊やらと銃撃戦を始めるのであるが、変な話、ほっとした。救われた気がした。
少数の人間で日本全体、いやひょっとしたら全世界にケンカ売ってしまうというムチャが底にあるわけであるが、ホンマに闘う前に、その少数の人間の中で、まず、「敵は己にあり」をやってしもうた。野村監督じゃないのである。
学生運動がらみの映画とか書籍とか読んでいつも思うことがある。ホンマ、日本はラッキーだった。よくぞ、「革命」を失敗しといてくれた。万が一、彼らの革命が成功していたら、その後、理想の国家を作るために、おそらく、終わりのない粛正、ホロコーストが待ち受けていたに違いないからである。
この事件があったのは、リアルタイムでは中学生、テレビにかじりつき、鉄球が山荘を破壊するシーンに熱狂し、後にリンチ事件が明るみに出てからは、クラスで「総括ごっこ」が流行したのであーる。まあ、「後の世代」としては、彼らがいくら真剣であろうが、彼らが大暴れしようがなんであろうが、何一つ成功しなかったし、その後の日本を、何一つ、いい方向へ持っていかなかった。リアルタイムでテレビ中継してるのを寝っ転がって観る限り、めちゃくちゃオモロかった。
まあ、それにしても、謎は残る。
なんで、東大医局員の待遇改善運動や学費値上げ反対運動、一大学の使途不明問題が、1年も経たずに大学相手に止まらず政府まで相手にした「革命」運動にまでおっぴろがり、やがては「世界革命」まで果てしなく目的がでかくなっていくのは、もう不思議でしょうがないのである。まあ、いろんな既存組織のあれやこれやがあったというが、やっぱ、そういう理屈じゃなく、時代のノリ、当時の若者の気持ちを支配していたノリとか、ワケのわからん「何か」と思いたい。
この映画はシリアスなものになってしまった。まだまだ、事件に関して遠慮みたいなものがあるのかもしれない。まあ、本当にこの事件が、「総括」されたら、「ゴッドファーザー」やら「仁義なき戦い」並の オモシロいエンターテイメントとなりうる題材だと思う。
http://ja.wikipedia.org/wiki/実録・連合赤軍_あさま山荘への道程
http://ja.wikipedia.org/wiki/山岳ベース事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/あさま山荘事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/全共闘運動
http://ja.wikipedia.org/wiki/新左翼_(日本)
2008年12月14日日曜日
邦画オールタイムベストテン
ガソリン、安くなってる。今日なんか、ハイオクで117円だったんで、驚く。夏頃のあのバカ高さいったいなんだったのだろうと思う。 あれじゃ、クルマ売れるわけないわなあ。まあ、経済について考えると頭が痛くなってくるんで(原油が安くなった分の金どこへいったんだろう?とか)、やんぴ。世の中も人生も、まあ、なるようになる。
邦画オールタイムベストテン、とかやってるとこあったんで、オレも参加しようとしたが、トラックバックがうまくいかん。
まあ、 お遊びとして。題名のリンクはYouTubeに動画があったやつ。
2「紅の流れ星」(1967 日活 舛田利雄監督)カッコ良さの標準。
3「狂った果実」(1956 日活 中平康監督) ラストあたりの密度が好き
4「男はつらいよ ハイビスカスの花」(1980 松竹 山田洋次監督) やっぱ、好きや。
5「風の歌を聴け」(1981 ATG 大森一樹監督)震災前の神戸の風景と最後のポップコーン。
6「阿寒に果つ」(1975 東宝渡辺邦彦監督) 五十嵐淳子!
7「 犬と私の10の約束 」(2008 松竹 本木克英監督)これで泣かんかったら人類とちゃう。
8「ゴジラの逆襲」(1955 東宝 小田基義監督)3歳の時、映画館で生まれて初めてみた映画。リバイバルだったのだろう。以降ひどいトラウマになる。この時のあまりにもヘタレなアンギラスへの深い愛情みたいなものが多分、スワローズとかについ肩入れしてしまう素地となったんだろう。
9「八月の濡れた砂」(1971 日活 藤田敏八監督)ビールを飲みながら、うとうとしながら、観ると、気持ちいい
10「青春の蹉跌」(1974 東宝 神代辰巳監督)また観たい。
3歳のとき観たのが1本、高校時代に観た映画2本、浪人時代1本、大学時代1本、あと日活アクションは全部30代以降になってからだ。 日活アクションとの出会いが、小学校とか中学あたりが理想だと思う。五十嵐淳子は歌だけあった。
2008年10月27日月曜日
1969年の日活映画「愛するあした」
はつよさんのご厚意により、念願の1969年の日活映画「愛するあした」(愛するあした(1969))を観ることができた。いやあ、ホンマ素晴らしい映画である。
ブログ更新間が空いたが、この映画観たら、いろんなことを書きたくなって、書いたら、例によって収拾つかなくなって、まあ、ここはひとつ、じっくり書いてやろうと思たわけだ。まあ、税金の季節でもあるので、まあ、ゆっくりと。
1969年の日活映画「愛するあした」、久々にハマってしもうたがな。
基本的に、音楽めあてで観たのだが、どっこい、映画としてもオモシロかった。感謝感激雨あられですわ。
おかげで、このところの「赤いスイートピー」症候群が直り、暇でぽーっとしている時など、「赤いスイートピー」じゃなく「愛するあした」を口ずさむようになり、気分よい。まあ、そばで聴いている人がいたら、どっちも、似たような「唸り」かもしれないが、それはそれ、あれはあれ、である。
さて、映画「愛するあした」、伊東ゆかりの超名曲「愛するあした」(東海林修作曲安井かづみ作詞)をフューチャーした「歌謡映画」というジャンルに入る映画である。
主演は、伊東ゆかり、松原智恵子。和田浩治、中山仁、ワイルドワンズ、あと内田裕也がターッとかトゥーとかしか云わない役、東宝の「久太郎」有島一郎、おばけのQ太郎の曽我町子、左とん平とか。日活ゆかりの脇役が出てないような気がするが、製作が芸映社だからか時代が時代だからか、そいでも、配給は日活映画でちゃんと日活のマークで始まる。
舞台は1969年のどこぞの私立大学、学生運動もそろそろ下火になった頃である。伊東ゆかりと松原智恵子は学園のマドンナというかアイドルというか、彼女たちが出る授業は全員出席、立ち寄る飯屋はいっぱい、広末入学時の早大よりスゴいか。彼女たちをストーカーしている専門の盗み撮りグループ(これが、ザ・ワイルドワンズの面々というのであーる)さえ存在する・・・。
松原智恵子にからむのが日活の生え抜き和田浩治、それにふりまわされるのが、伊東ゆかりと中山仁という図式。
松原智恵子の文通相手ブラジルの大富豪中山仁(日系三世のブラジル人という設定)が彼女に会いに来ることになって、大騒動、恋人和田浩治を伊東ゆかりに預けて、大騒動、文通相手に会って大騒動、あれやこれや、で途中、伊東ゆかりの孤児院が経営不振で閉鎖するかもという状態がわかり、あれやこれや、というお話である。
今回は、伊東ゆかりと、オレの大好きな曲「愛するあした」を中心にこの映画を感想を書く。
「愛するあした」以外では、伊東ゆかりでは「朝のくちづけ」(有馬三恵子作詞鈴木淳作曲森岡賢一郎編曲)、「汐風の二人」(安井かずみ作詞平尾昌晃作曲)「知らなかったの」(山口あかり作詞平尾昌晃作曲)、あとクレジットされていないが、童謡「あのこはだあれ」「浜千鳥」を歌うシーンがある。もう伊東ゆかりが歌手として全盛期の映画なので、童謡のシーンも新鮮で良かった。伊東ゆかりの「小指が痛い」も、和田浩治と子供達によって唄われてたりする。
GSでは映画出演は珍しい、ザ・ワイルドワンズが出てて、「昨日に逢いたい」「バラの恋人」「マーシー・マイラブ」「すべてを捧げて」。まあ、扱いがなんか半端な感じがするが、それでも、伊東ゆかりと和田浩治の仲に悶々としながら唄う「すべてを捧げて」は、笑えた。
でも、やはり、「愛するあした」(東海林修作曲安井かづみ作詞)である。オープニングと終わりの伊東ゆかりの歌が入ったパターン以外にも、映画中、インストでいろんなバージョンが入っとる。
・ギターアコースティックバージョン (松原智恵子がひとり部屋でいるシーン、行きしのタクシー内、松原智恵子・中山仁が競技場)
・サンババージョン (松原智恵子・中山仁ダンスシーン)
・ムードミュージック風バージョン (松原智恵子・中山仁ナイトクラブにて)
・マーチ風バージョン (ヨコハマ港外国客船)
多分他にもあるんだろうけど、オレが見つけたのは以上。
これらの曲がまた、程よくロマンチックだったり洒落てたりしてシーン(主に松原智恵子が出演しているシーンに多い)に溶け込んでいるわけである。「愛するあした」という曲が、いかに当時の歌謡曲としては異質か、よくわかる。まあ、例えば、映画中で伊東ゆかりが唄う「朝のくちづけ」「知らなかったの」、或いは、大ヒットした前年の「小指が痛い」でも、90分なりの映画のテーマミュージックとして、インストをボサノババージョンとかサンババージョンとかシーン毎に変形されての使用に耐えられたか、どうか?
ともかく、「愛するあした」以外がテーマミュージックなら、映画の印象全く違ったものになっただろう。団体行動が中心の学生運動終焉後、ようやっと個人に戻り、それぞれの学生生活に戻りつつあり、そして学生運動とはまったく別の次元でみんながまとまってみせる、というこの映画では、オレは他の曲じゃやっぱ無理だと思うのだ。
ラスト近く、伊東ゆかりのソロによる熱唱、学生運動の闘士たち応援団のむさ苦しい連中あとフツーの学生とか孤児院のガキ共巻きこんで全員との合唱シーンであろう。ただただ感動する以外ない。
上の映像で伊東ゆかり、メッチャクチャきれいに映っているが、映画でもそう。伊東ゆかりが「うふっ」を使いまくるがメッチャクチャカワイいぞ。
まあ、一週間かけて、この程度・・・か。まあ、しゃあない。
ちゅうことで、次回は、この「愛するあした」は同時に、松原智恵子と和田浩治の日活映画でもあるので、そっち側から、書いてみようと思う。
2008年9月19日金曜日
2ゲーム差だって・・・
対岸の火事ですな・・・。まあ、他にもオリックスが妙に強くなっているし、プロ野球オモロイのだろうが、スワローズは静かに潜行中。まあ、今日はラッキーにも雨天コールドで勝ったけど、福川がケガした・・・。
2008年8月28日木曜日
RURIKO" (林 真理子)読む
RURIKO、読む。
「小説」とある以上、「ノンフィクション」じゃないわけだが、まあ、事実にかなり基づいていると考えられる。林真理子、苦手な作家・・・ちゅうより、男が読むことを拒否している部分があったりするので他の本は読んだことはない。それでも、この本は、一気に読んだ。
のっけから、舞台は戦前、満州国の描写からはじまり、やがては、あの満映の甘粕正彦が登場し、4歳のルリ子を見た瞬間、父親に「女優にしなさい」と託宣するかのように言い放つのである。正直、林真理子、文章が大嫌いなのだが、このあたり、ツカミの力はスゴい。甘粕正彦・・・アナーキスト大杉栄を虐殺し、やがては満州国という国をでっちあげてしまう人物で、オレなんかは、ある種の想像力をひどくかき立てられる人物で、かの矢作俊彦氏がアマ★カス!なる小説を・・・まあ、どうでもええか。
浅丘ルリ子、やがて、終戦のドサクサが終わりあれやこれやで、15歳になって3000人の中からオーディションで、当時、再開したばかりの日活に入って、以降、子役から娘役へ、そして大人の女優になっていくわけである。これからは、びっくりするようなスタアたちとの恋愛が明らかにされるが、まあ、こういうところ、林真理子の林真理子、みたいなもんで、読んでいただくしかない。 オレは、「憎いあンちきしょう」(アマゾンへのリンク "憎いあンちくしょう" (蔵原惟繕))、猛烈に観返したくなった。そう、あの映画、かなりホンマモードだったのであーる。
以降、石坂浩二との結婚やら、昭和末期の石原裕次郎や美空ひばりの死を経て石坂浩二と離婚やらの現在に至るわけだが、何度となく美空ひばりとルリ子の電話での会話が挿入され、それが、ひばりのその時折の状況や、二人の別のタイプの「スタア」のタイプの違いを際立たせており、涙なくしては読めない部分もある。オレの美空ひばり観が変わった・・・つまり、美空ひばりがほんのちょっと好きになりかけている・・ほどである。いや、小林旭観も石原裕次郎観も変わってる・・・・・これぞ、おそらく林真理子の作家としての力であろう。
そやけど、まあ、不満を言えば、映画がアカンようになり日活をやめて以降も、テレビ、テレビで主演ができないようになると、演劇で成功、と時代や自分のライフサイクルの変化に見事に順応できたのが、なんでか、もうちょっと、深く・・・そしたら単行本一冊で終わらないか。
あと、この本を読んで、浅丘ルリ子像を確立させて、変に偶像化して神棚に納めて、柏手を打つような存在にするのは良くないと思う(注 そういうノリで書かれている)。
そうやって、昔の日活アクション見たら失望するのがオチである(芦川いづみの方がずっとカワイい時があった)。
ちゅうことで、本の感想はここで終わるが、浅丘ルリ子のこと、もうちょっと書きたいんで。
オレとしては、ようやっとチャンスを掴んだ小林旭を何度も流れさすらわせは何度も迎え、次の手が打てなかった太りかけの石原裕次郎に再び光を放たたせ、寡黙な渡哲也を饒舌に軽薄にし、そして、あの寅さんにプロポーズさせた(註 全部映画の話である)浅丘ルリ子。そっちのノリで70年代以降も乗り切って欲しかった。彼女の相手役を務めることで、多分、男のスタアが何人も生まれただろう。
かえすがえすも、60年代、ウチの国から「映画」という一つの産業が消滅してしまったことが悔やまれる。
2008年8月12日火曜日
「100発100中 黄金の眼」より沢知美「モッカラ・ゴーゴー」12th August 2008
"100発100中/100発100中 黄金の眼(ツインパック)" (宝田明, 佐藤允)
おばんでやんす。
沢知美の動画、YouTubeにアップした。
宝田明主演の東宝映画「百発百中・黄金の眼」
ワケのわからん言葉で歌っているが、さすがは昭和43年の映画、これぞ、昭和元禄ハレンチの象徴みたいに、次から次へと衣装がかわってカッコいい。
この映画の主題曲の方もジャジーで(この単語、生まれて初めて使った)カッコいいスキャットがグッとくるのだが、下手したら、同じく出演している前田美波里の方かもしれず、確認中。
この映画、映画マニヤの人はどうかしらんが、だいたい、前田美波里・沢知美という当時のハクい女優ツートップ体勢でほぼ、でずっぱりで、アクションシーンはあるわ、場面場面で衣装は変わるわ、オレなんかは大喜びである(昭和43年当時、フツー、世の中には、菅井きんさんや三崎千恵子さんの若いころみたいなおねえさま方たちであふれていたのであーる、今のように研ナオコレベルや山田花子レベルのおんなのこがうじゃうじゃしとるしあわせな時代ではないのであーる)
沢知美、過去、CDの感想文書いたことがあるが、女優や11PMのカヴァーガールしてたことぐらいしかわからん。googleったが、詳しい経歴わからず(出演映画はわかる沢知美 (サワトモミ))、また、CDもひっくりかえしてみたが、詳しい経歴等載っていない。
CDは映画の翌年、昭和44年(1969年)なのだが、上の動画のような、ぱっとした明るさなど微塵もなく、しっとりとした大人の薫りが濃厚で、たった1年で、進化というか変化の大きさに、昭和40年代の時代のスピードちゅうもんをひしひしと感じるわけである。
"人の気も知らないで" (沢知美)
2008年7月18日金曜日
祭りの後にさすらいの日々を
スワローズ、阪神に勝ち越しした上、今日も広島に勝ってもた。
しかし、「傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを」を読んだら、あたりまえだが、どないしても、「傷だらけの天使」最終回を観たくなるもんである。
だいたい、「傷天」で今もはっきりくっきり記憶しとるのは、中山麻里がゲスト出演した回のヤツで、当時、それはそれは強烈な印象を・・・収拾がつかなくなりそうなので、話を戻すが、最終回の殺伐とした雰囲気と夢の島で大八車(記憶違い リアカーだった)ひっぱっているショーケンの姿だけが覚えており、それが、「魔都・・・」を読んでいる時、記憶をたぐろうとしてイライラしたもんだ。
そいで、セコく近所のレンタルショップ廻ったが見あたらず、googleったら、「ファミリー劇場」でつい最近までやってたが終わったところだ。だいたい、オレのテレビで「ファミリー劇場」というチャネルが見れるというのに初めて気がついたのは収穫だが、まあ、そういうもんだし、その程度の人間である。で、しゃあないから、「傷だらけの天使」最終回の入ったDVD、アマゾンで買った。アマゾン、定価販売。
ちゅうことで、「祭りの後にさすらいの日々を」(脚本市川森一監督工藤栄一)食い入るように観て、感無量。たった、45分ほどなのに、驚くべき完成度である。
例によって例のごとく、名シーン、キャプチャー。
「辰巳さん、もう日本はダメよ。この国があたしに何をしてくれたっていうの?あたしはいつも裏切られてばかり、もうたくさん、もうたくさん。我にしあわせを与えた祖国、我が望みを絶つ祖国、永遠に、別れの口づけを!」
いつもとノリが違って演劇モード全開の岸田今日子。いつも余裕たっぷりの「綾部貴子」が初めて、不安定な表情を見せる。
ここでグッと来ないと男じゃないだろう。もう、この頃からええ年であるが、それでも力づくで、ええ女やなぁ、とまで思わせてしまうもんがある
「そういや昔、こんな場面どっかでみたことがあるような気がするな」
「『ペペ・ル・モコ』です」
「知っているよ。昔、新宿の武蔵野館で観た・・あの刑事、イカしたなぁ」
「僕の時代は池袋の人生座でした。 懐かしのジャン・ギャバン週間」
このシーンも気に入った。実は包丁持った辰巳が梅津警部に襲いかかって始まった格闘後のシーンなのだ。
「ペペ・ル・モコ」がジャン・ギャバン主演の「望郷」ということを、今、わかった。・・観たくなってしもた。
ちゅうことで、ショーケンや亮のシーン(亮のオカマショーもキャプチャーしたかったが、まあ)は、キャプチャーするもんでなく、動いているとこ観てもらうしかない。
つうとこで、このあたりまで。あとまあ、どーだってええことだが、オレ的には、矢作俊彦のデビュー作「マイク・ハマーに伝言」の舞台となったのは、長嶋茂雄引退の日(1974年10月14日)で、「傷だらけの天使」放映中( 1974年10月5日から1975年3月29日 http://ja.wikipedia.org/wiki/傷だらけの天使 より)がまさにその頃。この頃ヨコハマで、「令羽」(りょう)や克哉や雅史や英二が首都高横羽線でのあれやこれやを算段してたと思うと、ちょっと面白い。
しかし、ショーケンは癖になる。
まあ、オープニングシーンはYouTubeにありました。
2008年6月1日日曜日
一足さきに秋モード
プロ野球、来シーズン、非常に楽しみになってきた。ま、今シーズンは若い戦力が成長するのを見守るつもり。ま、あとイヤがらせ(特に讀賣と阪神)に徹して頑張って欲しい。
オリックス、こういう時に限って強い。んで、スワローズファンとしては、暑い夏を通り越して、こっちは秋がきてしもたがな。ちゅうことで、早くも、「芸術の秋」がきてしもたがな。阪神ファンの方々の「心の痛み」がちょっとはわかった。
で、フェリーニの81/2 (はっかにぶんのいち)、DVDで今観とる。「甘い生活」はもう、メチャクチャ大好きな映画だが、こっちは、アカンねん。映画館では挫折して途中寝てもたし、ビデオで観た時も通しで観ることできず、途中でやっぱ、しんどなってやめてもた。
で、まともに観ちゃアカンと、今回は、まともに観ず、ネットとかここ書きながら、飛ばしたり戻したりして観とるんだが、そないして観ると、おおっ!けっこうエエ映画やんけ、と思うようになった。ま、映像もパートパートは素晴らしいし、音楽だって、すごくエエ。女優もクラウディア・カルディナーレやらアヌーク・エーメ(メガネがカッコええ)それに、乞食女! 気合い入れて観るよりBGV的に観るもんかもしれん。それに、若もんにはわからんで、このテーマ。
8 1/2 愛蔵版マルチェロ・マストロヤンニ
サザンが活動停止した、ちゅうニュースで、「え、まだやっとったんかいな」と思う程度なのだが、このグループ、多分、カラオケでどこぞのヨッパライが唄っている印象が強く、一晩、飲みに行くと、何度も聴かされたものである。オリジナルで聴いたこと無いが、カラオケで覚え、耳タコになっとる曲が10曲以上はある。
特にワシら世代など、カラオケの「安牌」として、何曲かキープしとるみたいで、たいてい「聴かしたるねん」オーラーを放ちながら唄いよるんで閉口したもんである。しかも、デビューした時期がカラオケが流行り始めた頃だし、だから、どうしても、「カラオケを意識して成功したグループ」としての印象しかない。まあ、これ以上、いつものとおり書くと、かなり遠慮無い悪口になってしまうので、やめるが、戦略を練った「あざとい」グループなんであーる。
2008年5月25日日曜日
宇宙大怪獣ギララ
まー君にやられる。ま。
今日は久々に三宮。煙草が路上で吸えなくなっていた。タスポといい、筒井康隆の「最後の喫煙者」的未来がもうすぐそこに。
昨日は雨が振っていたので、出歩かず、夕方、「宇宙怪獣ギララ」をNecoで観た。
『宇宙大怪獣ギララ』(うちゅうだいかいじゅうギララ)は、1967年3月25日に公開された松竹が制作した唯一の怪獣特撮映画作品、及びそれに登場した架空の生物。
[From 宇宙大怪獣ギララ - Wikipedia]
この映画、月基地で男女の隊員が談笑するシーンとかあの「2001年宇宙の旅」に先行しとるが、惜しいことにそこいらの喫茶店での談笑にしか見えない、やら、宇宙船アストロボートAABガンマなど今で云うところの「スペースシャトル」なのだが、惜しいことに、計器類やらその他が漁船並み、とか、月でジャンプするのはエエことだが、トランポリン使っているの丸わかりや、とか、ま、本気で観ると、そういう野暮な面にとらわれやすいが、そんな矮小なことを忘れてしまうほど、音楽がメチャクチャにいいのである(と、ここまで書いてハッと気がついたが、「2001年宇宙の旅」と途中までは同じテーマで類似シーンいっぱいなのだ)。
オープニングのボニー・ジャックスの「ギララのロック」(作詞:永六輔 作曲:いずみたく 歌:ボニージャックス セリフ:和崎俊也)、ロックでもなんでもないが美しい旋律、美しい男性コーラス、歌詞が素晴らしい。「地球ぼくたちの星、宇宙ぼくたちの世界、未来ぼくたちの明日、みんなぼくたちのもの」・・・エエのぅ。ちまちました雑事に煩わされている日々を忘れ、 映画に没入できるというものだ。音楽に関して云えば、「2001年」のヨハンシュトラウスより、ずっとずっと志が高いのだ・・・と思ったりしたりしないでもない・・(YouTubeにアメリカ版のオープニングがあった!)・
ラストも素晴らしい。実はちょっと三角関係のあれやこれやがあるのだが、そこへうっすら、イントロがかぶさり、やがては倍賞千恵子のヴォーカルで 「月と星のバラード」(作詞:永六輔 作曲:いずみたく 歌:倍賞千恵子)が堂々とロマンチックに、歌われるのだ。(下の米版エンディング、セリフは英語だが、ちゃんと倍賞千恵子の唄は日本語・・ちなみに映画そのものには倍賞千恵子は出ていない)
あと、おそらく当時のオッサン連中が理想とした金髪女性のプロトタイプみたいなペギー・ニールも素晴らしいし、ライバルの原田糸子もエエ。肝心のギララも元気溌剌で覇気があってヨロシ。
「地球ぼくたちの星、宇宙ぼくたちの世界、未来ぼくたちの明日、みんなぼくたちのもの」の精神でいかなアカンな。
2008年3月6日木曜日
の・ようなもの
の・ようなもの 秋吉久美子 伊藤克信 尾藤イサオ by G-Tools |
「怪物のような荒川鉄橋をこぼれないようにクルマが走るのが見えるぞ」しんととしんとと。 「トランペットのべんちが聞こえない不気味な静けさ 深夜料金のバッチが光るタクシーが北千住方向へダッシュする その反対方向42.195キロにオレのアパート」しんととしんとと。 「東武と京成を乗せた綾瀬川を渡り お化けが出そうな鐘ヶ淵へ向かう 延徳寺を左へ折れようとする 昔はここらへんでカネボウ美人が作られたという」しんととしんとと。 「祭り提灯に誘われ抜け道を入ると 神さまは4畳半のせまさの中で明日を待つ」しんととしんとと。 「花薬師の駅前通りを歩行者が約一名 やけに目立つのかビニールの花が歓迎する」しんととしんとと。 「○○街道に入ると昔ながらの商店が蚊取り線香の匂いを立ててディスプレイしている。地下足袋一ダース380円○○焼き60円さくさくした○○クリーム100円、ひといき入れたい」しんととしんとと。 「三十過ぎの芸者衆と40過ぎの浮気男が向島の屋根の下で寝ている。もうそろそろ夜が明ける。夏の朝は○○が云うように早い」しんととしんとと。 「カラスがかあかあ飛んでいる、吉原上空に向かうのか 明烏 聴いてますか志ん生師匠、吾妻橋のビール工場まであと息。リバーサイドのジョギングコースを何故か歩く」しんととしんとと。 「隅田川の風が吹いてきた 眠そうにブレーキかけた東武線が隅田川をわたる ○○のビール工場は世界の終わりのように静かだ」しんととしんとと。 「吾妻橋を渡ると仁丹塔が見えてきた 浅草雷門に入る 観音様、しんととが朝一番でやってきました」 「人形焼きの匂いのない仲見世は淋しい、思い出の花屋敷に足が向く、いまごろどうしているだろう 国際劇場の踊り子たちはどうしているだろう」しんととしんとと。(以上 例によって、聞き取りで書き出してみた。細かいとこ間違えとると思うが、まあ。) で、ようやっと、たどりついたら、彼女が、原付で、ちゃんと待っててくれるのね。イイなあ! あと、まあトルコ嬢役の秋吉久美子もカッコ良く、一説によれば以降のその業界の人たちがこぞって真似したという(未確認)。