2009年5月13日水曜日

アタシをトラルファマドール星へ連れてって

  「スローターハウス5」、届く。早速、観てしまう。戦時中のドレスデン、現在(ちゅうても1950年代アメリカ)、そして、トラルファマドール星を行ったり来たりする展開なのだが、その繋ぎが全く気にならない。完全なシームレス。素晴らしい。奥さんのキャデラック事故あたりから、涙ぐみっぱなしになる。ま、そういうものだ。

 テレビで観たのは、高校か浪人中だったか。吹き替えのトラックも入っていたので、カットした部分とかわかって良かった。あの女優さんのおっぱいばんばん見えとったがな。ま、そういうものだ。

 ヴォネガットが「小説よりよくできている」と云っただけあって、映画というフィルター越しであっても、広島長崎に匹敵するほどひどかったといわれるドイツのドレスデン爆撃を捕虜の米国兵として体験したヴォネガットならではの「何か」が伝わってくる。

 その「何か」がホンマは一番大事なのだ。オレにはうまく、よう説明できへんが、ま、そういうものだ。


 そいで、最近のうちの国で使われる「平和」「戦争」ちゅうもんがどんどん、 使い方が難しいだけの厄介な単語みたいなもんになっているのは、ホンマに体験した人たちがおらんようになってきたためやないか、という単純で簡単なことに気がつく。無理矢理、戦争を風化させたらアカン、として新聞とか終戦記念日あたりになにやら、やっているが、すっかり風化してしもてることに気がつかず、無理矢理、断片だけを取り上げたり、理屈とか駆使しまくってあれやこれやこじつけるから、もう、何の意味が無い。そもそも、憲法の一文如きで、人類が一番好きなこと、放棄したり、やるの我慢したり、来るのを拒否できるわけないじゃないか。そういうものだ。
 
 ・・・しかし、DVDには封切り時のチラシが入っていて、同時上映が「アメリカン・グラフティ」というのだから!ま、そういうものだ。
 
 今夜はスワローズ、勝つ。ま、そういうものだ。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/スローターハウス5

 

"スローターハウス5 [DVD]" (ジョージ・ロイ・ヒル)

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