2014年1月27日月曜日

映画「アワ・ラテン・ティング」の40周年記念デラックス・エディション

 くそっ、こんなのが出てたなんて!

ファニア・オールスターズの1971年8月26日、ニューヨークのクラブ「チーター」で行われた(ここから、ニューヨークサルサが誕生したという)伝説のライブを収めた映画「アワ・ラテン・ティング」の40周年記念デラックス・エディションである。

  映画丸ごとDVDと、そのライブを収めたCD「Live At The Cheetah Vol.1」「Live At The Cheetah Vol.2」、2枚つけて、正真正銘の「デラックス・エディション」である。  クソロックでよくある、アナログよりひどいリミックスされた、聞きあきた「名盤」とやる気のない演奏のアウトテイクとブートレッグより悪い音のライブを抱き合わせ無理矢理2枚組3枚組にして高く売りつける、まさにピストルズ終焉時のジョニー・ロットン云った「騙された気分」を実感しまくれる、理解しまくれる「デラックス・エディション」とは違う。

  映画「アワ・ラテン・ティング」見逃していたオレとしては、まあ、DVDだけでも嬉しかった。


Our Latin Thing (40th Annv)

DVDの映画は、もう、何と云ったらいいか、実際、観てもらわんとオレの表現力ではムリである。だいたい、オレはサルサのことなんか、殆どわからん。そんなオレですら、凄い、というか、おぉおぉおぉ!と思うシーンの連続である。

字幕も入っていないし、ライブにはさまって、ニューヨークが一番汚くて危険な時代の、おそらく一番ヤバい地域の、小汚いガキやら明らかにヤバい風景が映し出されるが、70年代のダサい感じがまた、カッコ良く感じられるから不思議だ。
まあ、不思議も何も、まったく新しい何かが生まれそうになっているんだから、しゃあない。

  ちゅうんで、一曲だけ、感想を書く。

  80年代終わりあたりだったと思う、最初に、「Live At The Cheetah 」聴いたのは。当時は、心に「レゲエ命」の刺青入れてた頃、なんで買ったんか、わからん。

  「Live At The Cheetah Vol.1」はたった4曲しか入っていない。長い曲ばっかり。最初イントロがカッコエエと思ったが、それだけ。でも、聴いたけど、全部、おんなじように思えた(これだけの、音楽の感性の持ち主だ、仕方ない)。

  「しもたなぁ、失敗したか」と、せっかく買ったんだから、そのまま、音を流していた。
  でも、えんえん続く同じような、というか、似たようなラテン系のリズムの羅列を聴いていると、もちろん、飽きる、ただ、飽きて飽きまくった後、そのうちオレの中の「飽きる」という反応を司る部分が麻痺してきた。ああら、不思議、そっからは、なんかもうタマランようになって、音の渦に巻き込まれ、ひたすら、「!!!」の連続である。

そうやって、最初にサルサというか、ファニア・オールスターズというか、アルバム「Live At The Cheetah」にハマったのが、「Quitate Tu」、16分45秒もある曲だった。

  オールマン・ブラザーズ・バンドのフィルモアのライブに入っている「In Memory Of Elizabeth Reed」高校生ん時、買って以来、一度もまだ聴き通した事ない短気なオレとしては、当時、レゲエ聴きまくっていたとはいえ、不思議であった。

   さて、その「Quitate Tu」という曲、映画「アワ・ラテン・ティング」の中でも、ムダに多人数のホーン、ムダに多いヴォーカル、ムダに過剰なパーカッション、ムダに多いコーラス、ムダに長い曲が始まる。もちろん、Wikipediaやその筋のホームページ見ると、そのそれぞれが、スゴい人ばかりなんだろうが、オレの知ったことじゃない。 

・・・・曲の部分が終わった。

  そして、確実にオレはある種の興奮の中におった。
  演奏部分、やたらパーカッションのアンちゃんが張り切り始めたところで、ライブシーンから街で踊りまくっている人たちの変わって、再びライブシーンに戻るが、そいでも終わらない。延々音楽は続いている。
  やがて、終わる、いや、終わらないでくれ。お願いします、もっともっと続けて下さい・・・と土下座したくなるほどであった。

  やっぱ、凄い。

レゲエなんかも同じリズム延々、ちゅうのは得意だが、どっかノリを抑制するとこがあるのだが、これは、抑制するんでもワザとノリを煽るわけではなくとりあえず、ノリを爆発させようとするわけじゃなく、自然に任せて好き勝手やったら、とてつもないとこへ来ちゃった、という感じ。





  まあ、オレはレイシストじゃないから、ジャマイカの人と日本人とラテン系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人がどうのこうの、いうつもりは無い。まあ、オレは全部おいしとこだけ、吸い尽くすだけである。

  オレの例で云うと、「Live At The Cheetah Vol.1」のあともちろん、Vol2も聴いたが、そっから、ファニア・オールスターズやサルサにハマるわけでもなく、やっぱし、レゲエに戻って今日に至る、である。

 あ、今思い出したが、フェラ・クティ、聴いた時のハマり方が、なぜか、ファニア・オールスターズの時に似ていた。 なぜなんだろう?

以上。    

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