2007年10月10日水曜日

らも―中島らもとの三十五年

らも―中島らもとの三十五年
中島 美代子

 ・まあ、オレ自身、中島らもは途中から、多分、「今夜、すべてのバーで」以降、アル中で再入院したあたりから、こりゃアカン、と読むのやめてたけど、奥さんが書いた文章なら別。  
 ・美代子夫人がらもとの出会いから別れまでを書いた本、しかし、あれやこれや、オモロく一気に読める。夫婦してセックス、ドラッグに明け暮れた日々とか。 

 ・らも美代子夫妻、遅れてきた「ヒッピー」なのだ。いうか60年代後半の価値観をそのまま35年つきとおしたとも。本当はタテマエとかハッタリとか、カッコ良く言うと単なる理想を積み上げてでけた「幻想」だったのに、それも本人わかりすぎるほどわかっていたのに、無理矢理、70年代以降も「現実」でやってしまったというか。

  ・ただ、らもも奥さんも、実家が超裕福(らもは歯科医の息子、奥さんの実家は神戸の人間ならあっと驚くような場所に5万坪!のご令嬢)。しかも、落ちこぼれながらも、なんのことはない、灘校のぼんぼんと聖心のお嬢との、カップルだし。そういう部分が多分、最初中島らもに熱中して、ある時(多分「今宵、すべてのバーで」後、アル中で再入院した時あたり)冷めてしまった原因かな、と思ったりした。

  ・わかぎゑふとの確執みたいなもんも出てくるが、ただ、わかぎゑふのアル中ぺい中中島らもがふにゃふにゃな時、ビジネスがらみの尻ぬぐいの苦労(並大抵ではないと想像できる)というかも考えると、なあ。 


  ・あの世代とワシらの世代の間には深くて暗い 川があるんである。ろーえんど、ろー。

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