2007年10月19日金曜日
つまんなかった本
まあ、このところ、わりかし本を読んでいるんだが、この前感想文(・・ちゅうてええのか?)中島らもの奥さん美代子さんが書いた「らも 中島らもとの三十五年」とか、山崎忠昭著高崎俊夫編の「日活アクション無頼帖」やら、もう文句なしにオモロかった本(ちょっと大当たりが続いた)、
がある一方、当然、「うーん」とか「なんや、これ?」ちゅう本があるわけで、今回はそれを紹介する。
今まではそうしたネガティブな感想を持った本や音楽映画については極力ここで書かないようにして来たが、ちょっと、今回はヒドすぎる。
たけしのファンというかマニアみたいな人が書いたのか? 全盛期ならいざしらず、実際、今頃、事故起こして以来、たけしがそれほどのパワーを持っているとは思えず、だから、著者が「たけし」を持ち上げるたんびに、かなりの違和感を感じた。
オレのように「たけし」や「団塊の世代」とか「アナキズム」とかの「単語」に反応する人間を刺激するタイトルだが、「たけし」以外、「団塊の世代」についても「アナキズム」についても、あまりにも、中途半端な解釈。そしてひたすら、 たけし、たけし、である。なんか、ダマシにかけたような感じ。
それにしては、「たけし」の今後の戦略云々まで、予想(妄想?)してあり、ようわからん。
まあ、オレがこのブログで、大好きな弘田三枝子やヤクルトスワローズのことを書く場合、よく、おちいるモードに突入したまんま、本にしてしまったのか?
オールナイトニッポン時代ならいざしらず、もう、たけしじゃないなろう。今じゃ、爆笑問題の太田の方が、胡散臭さ、ミエミエの路線狙いがあり、たけしを危険と言うなら、太田の方がもっとキケンではないだろうか。
同世代の著者で、それまでは、納得できる部分がそこそこあり、今まで、ちょこちょこ読んでいたが、今回ばっかは、匙を投げた。
さっぱり、ワケがわからん。
途中から「オレはオレは」(注 この本での一人称は「ぼく」)が続き始め、読み進むうちに、ははぁんと納得する。「オレはエラい!」ちゅうわけだろう。だから、この本で述べてるワケのわからんことも、正しい、だから、オレの言うこときけ!・・・なんのことはない、今宵、すべてのバーでみられる飲んだくれの戯れ言レベルをカシコぶって書いてあるだけ、と納得。
ワシら世代がちょうど今ぐらいの年齢になると、酒のみに行くと、堂々巡りの話をグダグダしながら、要は「オレはオレは」の自慢合戦になるのを、本でやった感じがする(読み終えたところで、「語り書き」ということが判明し、ますます、納得)。
前者はタイトルに凝りすぎて、失敗、実際、著者はフリーライターだそうだが、何者やねん?
後者は『キャラクター化する「私」』云うてる著者自身のキャラが立っていない、もしくは、せいぜい酔っぱらいのおっさんキャラ以上のものではない。「語りおろし」ちゅうけど、アルコール入ってグダグダ云ってるのを、筆記させただけじゃないのか!
新書、ベストセラーになる本の影響か、本のタイトルと中身のギャップが大きすぎるのが多く、困る。そいで、まあ、最近読んだ本の中では特にそのギャップが激しいものをふたつ。
困る。