日活アクション無頼帖 山崎 忠昭 高崎 俊夫 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
2007年10月16日火曜日
日活アクション無頼帖
しかし、亀田問題、処分が決まったが、あんなもん、一番悪いんは、ヨイショしまくったTBSやろが。
ロッテと日本ハムの試合、ロッテが満塁のチャンスを逸し、そのすぐ裏、日本ハムが一点取ったところで、「こりゃ、ハムが優勝じゃわい」と思って、以降、見なかったのだが、まあ、その後すごいことになったみたいで。
日活出身のシナリオライターの山崎忠昭という人の書いた「日活アクション無頼帖」、ちょっと前、読んだ。
1999年に亡くなった方だが、いろんなところに発表された文書をあつめ、こうして一つの本として出された編者の並々ならぬ熱意を感じる。
文体からして、さすが日活出身。全文章どこを拾っても「日活アクション」なのだ。テンションが高く、そいでいて、ムダがない。
1962年の鈴木清順「野獣の青春」の数々のエピソードから始まり、オレの好きな中平康やら、日活ニューアクションになってからブイブイいわす長谷部安春、ロマンポルノになってから神格化される神代辰巳とのあれやこれや、日活がああなってからは、ATGでポシャった企画やら、「ムーミン」のシナリオ書いてたとき、作者のトーベ・ヤンソンからのクレーム全文掲載やら。オレみたいにあまり映画に詳しくない人間でも、オモシロく読めた。
まあ、オレとしては、鈴木清順よりも、中平康のちょっととぼけて、そいでいて、粋でカッコ良くて大好きな作品、「危(ヤバ)いことなら銭になる」、かなり詳しくあれやこれや書いてあって、ウレシかった。
あと、
「港町、キャバレー、そこに巣食う悪の一味、バクチにマヤク、縄張り争い、強制立ち退きにおびえる善良な市民、そこへフラリとやってくる正体不明の流れ者と彼をつけねらうキザな殺し屋、いつも肩をつっぱらかしてヘタクソなおどりを踊る妖艶なショウダンサー、ヤサ男のフィアンセがありながら無節操にも映画の主人公に熱い思いを寄せる目の大きなヒロイン・・」(p.42より引用)。
こうして、さらっと、しかし、完璧に「日活アクション」を定義してみせるわけだ。まあ、いろんなパターンがあるけど、最高のは、小林旭、宍戸錠、白木マリ、浅丘ルリ子ですな。
そういや、なんやかんや云うて、浅丘ルリ子(日活アクションの中では)は「無節操」やったなあ、と思うわけだ。
60年代後半、日活は落ち目になり、70年代にはロマンポルノ路線になるんだが、かえすがえすも惜しいことをしたもんだ。
70年代入って、映画を見ることがようやっとできるようになった世代、つまり、オレなんか、一番、そのとばっちり受けたわ。ワケのわからんヒッピーがバイクとばしてそのうち殺される話やら、あとワケのわからん殺人者のイヤーな話だとか、何で、わざわざ金を払って映画館に観にいったんだろう。中学生がやで。
ワンパターンかもしれんが、映画としては、「日活アクション」の方がカッコ良くて、ずっとエエがな。