この前書いたこと、もちろん、ニンジャマンが悪いんじゃないですよ、つまり、オレの感性そのものが、鈍りはじめていた。或いは、過去の快楽の記憶に拘泥(けど、スレンテン、スタラグ、コンピューターリディムのあの束になって一挙に襲いかかられた感に優るもんてあるのか?)し続けていたのかもしれん。
そいで、今オレの手持ちをチェックしたら、ニンジャマンがらみは全部CDだった。シングルもLPもない。つまり、もう、「CDでいいや」レベルだったということだ。以降、ニンジャマンに限らず、「CDでいいや」となり、そして、ついには・・。
思うに、ジャマイカの音楽好きな人間が、アナログ探しに行かなくなったら、おしまい、なのかもしれん。
さて、今日は、遂に、ブジュ・バンタン。
アメリカの大手マーキュリーと契約した、ブジュ•バントンはアメリカでの評判を落とす。92年の暮れ、反同性愛のメッセージ•ソングBoom Bye Byeが論争を巻き起こし、音楽活動は一時後退した。ウォーマッド•フェスティバルのペントハウス•レビューへの出演もキャンセルされる!— Mr.レゲエ夜 (@Fugee_I) 2016, 2月 22
フレックス、という、もろ下ネタのリディムトラックがある。甘い甘い甘い甘いリディムトラック、スケベ丸出しのこのリディムトラックに、おんながエエ、オカマはブーンバイバイ(和訳はしません)、ちゅう痛快極まるライム載せた時は、もう、カッチョ良すぎて、もう・・。メッセージソングと書かれているが、スケベな意味での女性讃歌というか(原典を当たってくだされ)。
この前も書いたが、この甘くてソフトでメローなリディムトラックはもろ、オレのストライクゾーン。身も蓋もないアノ行為そのものをテーマにしたヤツが多い中、オレは女が大好き、オカマなんて、ブーンバイバイしたる・・・あくまでも、女性讃歌なのだが、オカマをブーンバイバイが、アカンかった。
エラいことになる。
そして、その後の経緯はみなさんご存知のとおり。
言葉狩りというのは、日本だけのものじゃない。結果は、はっきり、云うて、「負け」。
言いたいことを言えなくなったら、終わりだし、アーティストが言いたいこと、そのものを変えてしまうのは、許せない。
事件後、ふたたび、今度は、真剣な顔したラスタのブジュ・バンタンになって戻ってきたが、いかに立派でカッコいいこと云おうが、もう、シラケてしまった。
まあ、要するに、もう、ジャマイカの音楽から、ありありありの何でもあり、の時代が、終わってしまったということだった。いやいや、それはオマエだけが勝手にそう思っただけ、だ、と言われても反論する気はない。でも、この事件以来、シラけたのは事実。なんのことはない、ロックやフォークとおんなじ、全然自由じゃないのに、自由を装う自由のフリする自由だとウソつく音楽(それなら、最初からウソの歌謡曲聴いた方がマシ、と思っても不思議じゃない、今思いついた)
まあ、オレのように、事件というか、台風というか竜巻というか津波というか、そういう「バカでかい何か」に、巻き込まれるように、巻き込まれてしまった人間としては、「バカでかい何か」であって欲しいわけですよ、ぜったい、なにがなんでも。自慢じゃないが、オレのこの「バカでかい何か」信仰は、ラスタのラスタへの信仰に勝てる。