2011年1月31日月曜日

日記モード

寒い日が続きます。皆様おかわりはないでしょうか(更新に間があいたんで、手紙風にはじめてみました)。

 大雪は降るわ火山は噴火するわ小沢は離党もせんと居座るわ、ホンマ、民主党政権メチャしよるなあ。早よ、辞めてくれへんかなあ。ずっと目が死んで、政権やる気がないの丸わかりなのに、なんでかなあ。

 昨日は、阪神高速北神戸線で、三田まで。ブックオフあったんで、ふらーっと入ると、三島由紀夫全集が一冊350円というバッタ価格で売ってたので、つい、どっさり買い込んでしまう。
 
 最近は、三島由紀夫の非文学系小説、本屋に行くたんびに、文庫をつまむようにして選んでは、読んだりしているが、これで、当分大丈夫というもんである。仮面の告白やら金閣寺は若い頃読んで、こりゃアカン・・・と思っていたが、昨年あたり、安部穣二つながりで「複雑な彼」を読んで、そのフツーなオモシロさに目覚めていたわけだ。三島由紀夫が女性週刊誌とかに連載していた小説(夏子の冒険とか)は、ひょっとしたら、金閣寺なんかよりずっと傑作多いのではないかと思ったりする。血湧き肉躍り・・という小説ではモチロン無いが、その時代の香りというか薫りというか匂いというか臭いというか、その時代にいないとわからない筈のものが、ちゃんと、今読んでも伝わってくるから、やっぱ、スゴイのだ。

 帰りは北神戸線、ついに阪神高速北神戸線に繋がったというので、柳原まで、ただ、あたりまえだが、神戸線、合流しても、前のまんま2車線だから、渋滞。素直に柳原で降りて帰る。
 
  アナログ・レコードいやヴァイナル聴くのはええのだが、 この季節、静電気がスゴく、ホコリが激しく、聴き終わったら、ホコリだらけになってしまう。拭いても拭いても静電気でホコリを吸い寄せよる。厄介です。
 しかし、なんでこんなん持っているんだろう、というレコード、否ヴァイナルがあってオモロイ。もちろん、万引きしたのではなく、買ったことわすれてしもてるだけですよ、念のため。今日は、ファニア・オールスターズのライブ・アット・チータ聴いたぞ。オレも、サルサなど聴いてたわけだ。

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ホコリもさることながら、レコード盤が歪みまくっていたけど、針圧3.5GのNUMARK CS1が根性で再生してくれました。

2011年1月20日木曜日

オーディオ地獄一歩寸前

(前回までのあらすじ 
 最近、アナログで持っているCDばかり買っていたこと(特にビートルズモノボックス)に気がつき、いっちょう、レコード(死語)でも聴くか、とプレイヤー(死語)引っ張り出し、久々にステレオ(死語)から音を出したところ、ダブでもないのに、ぶわんぶわんした音しかしなかったので、つい意地になり、まともな音を出そうと、カートリッジをいろいろ変えてみたり、ハードオフで二〇年前のアンプ買ったりし始める。でも、ヘッドフォンはともかく、やっぱり、かつていつも聴いていたスピーカーからの音がおかしいので、スピーカーのネットを開けてみると、開けてびっくり玉手箱、ウーハーのウレタンエッジがボロボロになっていた!ネットで検索すると、エッジを交換する方法があるというが・・・・音楽はMacやiPhoneで聴くもの、と割切ってしまうか、それとも、やっぱ、フツーにステレオでレコード聴けるようにするか、これぞ、10万円、7万円、5万円、運命の分かれ道!

 
 と、自分でもあらすじ書かなようわからんようになったぐらい、更新に間がしもうたが、祐ちゃん、スワローズに来て欲しかった。タイガースより人気球団になれたかもしれん(てな、呑気な事を云うていると、ロッテの小林宏之が大リーグ大リーグ云うてたと思たら・・・・。先生!讀賣体質の球団がセ・リーグには2チームもあって、貧乏球団はまっとうな野球ができません、不公平です。菅直人よ、子ども手当より貧乏球団手当やで)。
 あと、民主党、理屈はもうええから、即刻、総辞職総選挙やで。同じTPPでも消費税増税やっても、絶対フツーの内閣がやった時より、下手打つに決まっとるねんから。

 で、朽ち果ててしまっているエッジ交換、しようと思ったが、どうも、やり方ややこしそうだっし、短気で不器用で力のない色男体質のオレにはちょっとムリめに思え、JBLのHP見てたら、補修部品で、ちゃんとウーハーが載っており、
価格が7,000円
 だったので、少し熟考の上(前回の更新から先週の金曜日あたりまで)、素直に電話して注文し(7,000円×2+送料1,200円+消費税で計15,960円)、備え付けてある天井からスピーカーを下ろし、3ミリと4ミリの六角レンチを使って、スピーカーからウーハー取り出し、交換して、ようやっと、フツーに音が出るようになった。「フツー」というても、オーディオマニヤの人が見たらというか聴いたら、まあ、軽く40はクレームつくであろうが、ようやっとホッと一息、である。

  のべ3ヶ月、かかった費用もカートリッジ色々買ってしもうたので、伊達直人さんに恥ずかしいぐらいかけてしまったが、新たに買い換えるよりは、かなり安くついた。
 オレのステレオ(死語)はよう考えたら、震災(ああ、もう一六年も経つのね)あたりから、ほぼそのまんま、であるし、だいたいCDプレイヤーを使わなくなって一〇年は経っている(MacのiTunesで聴く)。ハードオフの垂水商大跡で、Control5みつけ、それが15,000円程度だったので、中古で買い換え、という安易な方法も考えたが、そのエッジもオレのと同じ状態になっていたので、もし買っていたら、エラいことになっていた(考え方を変えると、エッジがボロボロになったControl5は、あと+16,000円でウーファー毎交換するか、もしくは、エッジ交換(5,000〜)すれば、まともな音になるわけで、これが今のスピーカーと比べ、安いか高いか・・ワカラン)。

 参考資料

  JBL スピーカーシステムControl 5の仕様 1987年発売
  88年頃買った記憶があるから、なんと、二十三年落ち。これのウーファーのエッジがぼろぼろになってたわけであーる。

  修理について | ハーマンインターナショナルから、JBLユニット修理価格表(PDF: 340KB)をダウンロードすると、Control5のウーファーの型番は「C5003」で、価格は7000円とあったから、早速、お問合せ | ハーマンインターナショナル で、記載されている電話番号にかけて、注文すると、送金額、振込先教えてくれるから、そこへ振込、翌々日には、モノがついた。
 Control5の解体については、JBL コントロール5 スピーカーエッジの貼り替え、エッジ張り替えられた方のページであるが、Control5の分解からウーファー取り外し、取り付けまで懇切丁寧に写真入りで説明されており、非常に助かった。スピーカー解体用に、六角レンチが要るが、本体とウーファーのボルトのサイズが異なっており、3mmと4mmが必要であった(ホームセンターでバラ売りだと100円しない)。難易度としては、天井からスピーカーひっぺがすという重労働を度外視すれば、カーステのスピーカー取り付けよりずっと楽(あたりまえか)と簡単であった。ざっと一時間ほどの作業。ブログ上で申し訳ないが、どうもありがとうございました、大変助かりました。

  音については、今、すぐ近くに置いて、アナログレコード、ぶっかけているのだが、快適そのもの。Mac通して聴く音楽とはまた別の味わいがある。ウーファーからもちゃんと音出ているし、同じように劣化している筈のツイターからもフツーに高音域が出ている。昔聴いてた音だ、と云いたいところだが、昔聴いてた音そのものを覚えていないから何とも云えない。エージングなんか知らないよ。


 開けて思ったのだが、例によって例の如く、細い細い配線コード、貧弱で、ムラムラ悪い誘惑が起きたが、グッと抑えた。オーディオ無間地獄への崖っぷちに、今、オレは立っているのであーる。スピーカの線変えただけで、感動する人間にはなりたくない。AMラジオから流れる弘田三枝子に涙する人間で十分。

 この交換でどのくらい寿命が延びたのかわからんが、昔は満足していた音である、なるべく、長く使っていこうっと。元の天井のに設置するのは、また体力気力が充実してから、ちゅうことで。

(ウレタンエッジにアマオール塗ったら、長持ちするってホンマだろうか。思いクソ振りかけておいたが)

Control5.jpg

2011年1月10日月曜日

Air Playその後

 年末年始テレビ観て、今唯一印象に残っている人物=騎馬英子さん。

 それはさておき、思うのである。
 なんで、こういう性格なのか、と。

 昨年末あたりから、アナログ聴こうとした挙げ句、古いカートリッジや古いプレイヤー復活させようとして、費用はともかく、莫大な時間を使った。
 そいで、アナログレコード聴いたら、めっちゃ、気持ちよかった。そこで止めておけばええものの、古いスピーカー物置から出して、ハードオフで買った古い古いアンプで音出すことに執着してしまい、莫大な時間を使った。音がおかしいので、スピーカーのネットを取り出してみたら、古いスピーカー、ウーハーのエッジが腐っていたので、修復しようと思ったが、鹿皮(もちろん鹿皮じゃなくてもいいのだが)買って膨大な時間を費やすことになるので、やんぴして、別のスピーカーに戻し、スピーカー置く場所、スピーカー移動セッティング部屋の模様替え等で、またも莫大な時間を費やした。

●作業手順

1. マイナスドライバーとカッターナイフで、ウレタン材を落とす。(シンナー等の溶剤は使わない。)

2. 鹿皮の外周がフレームの少し内側に収まるようにサインペンで印をつける。(4~5mm)

3. ボンドGクリアーで、鹿皮だけの片面塗布で、コーン紙と合わせる。(糊代部分は薄く。)

4. 理想的には、鹿皮は、均一な平面に。ただし、少々の凸凹は気にしない。手直しをしようとすると、かえって反って悪くなる。

[From 鹿皮エッジ]

  ※「鹿皮エッジ」http://www.egawakobo.jp/ で売っているみたいなので、そのうち、チャレンジしてみたい気がする。
 さて、ともかく、オーディオセットが何とかなったところで、iTunesのAir Play使ったら、アホみたいにあっさりとした感じでエエ音(あくまでもオレの個人的な感想)で手持ちのステレオで聴くことができたので、またもや、調子にノって、追加で、2台目のAirMac Expressを買った。ついでに、AppleTVというのが売っていたので、熟慮の末、一緒に買った。先週の週末のことである。この二つ買っても、プレイヤーのMCカートリッジの針交換代よりもはるか安いのだ。当然、MCカートリッジの音はしばらく、お預けである。

"Apple Apple TV MC572J/A" (アップル)

"Apple AirMac Express ベースステーション [M9470J/A]" (アップル)


 ようやく、「現在形」になった。
 この連休、5時間ぐらいしか寝ていない。
 
 ・二台目のAirMac Expressを何故か「Air Macユーティリティ」認識しなかったので、焦って、メインのAir Mac Extremeの方から全部設定し直した。 そいでも、アカンので焦って4時間。
  (二台目フツーにコンセントに差し込んで、たとえ青ランプ点灯しても、 Air Macユーティリティは相変わらず認識しない。AirMac Expressのちっこいちっこいどこにあるのかわからんところにあるリセットボタンをペン先で押すとようやっと「工場出荷時の設定」に戻り、黄色点滅になり、Macの「 Air Macユーティリティ」上で認識するようになる。しかし、買って初めて電源入れたら、もう既に「工場設定」ではないとは、如何なることか?

 ・AppleTV、HDMIなので、古いディスプレイにくっつけようとしたら、DVI端子しかないのでアカンかった。下の変換アダプタを買わなアカンかった。

 

"PLANEX HDMI to DVI変換アダプタ PL-HDDVAD" (プラネックス)


"Amazonベーシック 2層シールド ハイスピード HDMI バージョン1.3b対応ケーブル (2.0m) [フラストレーションフリーパッケージ(FFP)]" (AmazonBasics)

 あと、 AppleTV、何故か5.1chに対応しているので、今、MacにつなげているロジクールのZ-5500 Digita(このアンプとSPが一緒になったヤツ、ついこのあいだ買ったばかり、と思っていたが、既に七年も使っていたのね。光陰矢のごとし。)を光でつなげたりした。ただ、AppleTV,DVDを直接再生なんかしてくれず、MacのiTunesの「ムービー」やアップルストアで買ったり借りたりしたヤツだけしか、再生できんので、久々にHand Brakeを使いました(何をやったかは、書かない)。
 ということで、膨大な時間を費やしてしまった。いつもなら、正月と今回の連休、のんべんたらりん、音楽聴いているところなのだが。正月早々、いや、人生・・・。

 しかし、古いスピーカー二組も、エッジがボロボロになっていて、ショックであった。エッジ修理して・・・・いや、費用はともかく、どうせ、不器用でちゃらんぽらんなオレのやることだ、膨大な時間が消えていくことになるわけで、この「膨大な時間」を趣味と考えたら、エエのだが、やっぱ、音楽聴くための時間より、音楽聴いている時間の方を大事にしたいものですね、人生。

 ちゅうことで、今年もよろしくお願いします。

2011年1月3日月曜日

AirMac Express ベースステーション with AirTunes

 明けましておめでとうございます。

 正月番組、観るのはいいが、番組そのものの記憶はあっというまにごっそり欠落し、しつこく挿入される初スロに備え右手挙げバカ面下げて初詣行くCMの方が印象に残っているのはどういうわけだ。あと、これだけ、餅は有毒ということがわかりきったのだから、健康増進法を整備して、ちゃんと、しかるべき装備を備えた「食餅コーナー」でしか食えなくすること、あと、餅の濫用を防ぐために、是非ともタバコ並に課税して欲しいものである。
 今年こそ、政権交代して欲しい。

 ちょっと、このところ、Macのオーディオ環境を変更しつつあるので、ちょっと更新が滞っておるが、まあ、オーディオ環境うんぬん変更せんでも、気分しだいで、更新が滞るのは、ウチのブログの特長というヤツである。
 
 そいで、あれやこれや、やってた時、ふと、Air Mac Extreemのちっこい方(AirMac Express ベースステーション with AirTune、というらしい)についてるミニジャックにヘッドフォンつっこんで、iTunesのAir Play(下のヤツね)ちゅうやつ使って、聴いてみたら、こ、これが。おそるべきことに、けっこう、いや、かなり、エエ音しよるわけだ。今までのUSBのオーディオインターフェイス並・・・否ひょっとしたら、それより上かも・・・。まあ、ジャマイカの音楽ばっか聴いて耳がバカになっている男の云うことだ。真に受けないで欲しいが。しかし。


"アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A" (アップル)

家の中でいつでも音楽

AirMac Expressにステレオや外部スピーカーを接続すれば、iTunesが動作しているコンピュータに保存された音楽をワイヤレスストリーミングできます。家の中のどこにいても、音楽が楽しめます。(システム条件参照)

[From AirMac Express ベースステーション with AirTunes - Apple Store (Japan)]

 そいで、iPhoneのREMOTE使えば、かなり離れてても曲を変えたり音デカくしたりできるのであーる。これは便利すぎるではないか。

曲の情報も見える。
AirPlayは、外部スピーカーに音楽をストリーミングするだけではなく、いま聴いている曲に関する情報も同時に流します。そのため、曲名、アーティスト名、アルバム名、経過時間と残り時間、アルバムのアートワークが、AirPlay機能に対応したスピーカーにグラフィックで表示されます。

[From アップル - iTunes - AirPlay]

 そいで、ミニジャック=>RCAへの変換プラグでAir Mac Extreemとあの20年落ちのアンプに接続して音出してみたら、イッチョ前にそれなりの音がしよるわけだ。あたりまえだが、なぜか、感動。もう、オーディオ的に「エエ音」なんかもうどうでも良くなってしもた。人間、いや人生、便利が一番ちゅうことで、あらためて、明けましておめでとうございます。

2010年12月22日水曜日

アナログはやっぱ金がかかる

 年末。更新に間が空いた。このところ、バタバタしてたもんで。
 オーディオにハマりつつある。
 熟考一週間の上、ハードオフのジャンクでVictorのアンプ、AX-Z911(1988年89,800円もする。仕様等詳細はhttp://audio-heritage.jp/VICTOR/amp/ax-z911.html)を8,400円で買ってしまった!
 バラ売りのMCフォノイコライザー、どうも、ノイズがどないしても気になるレベルであったので、ネット巡っとると高級アンプのMCヘッドアンプの方がマシというようなことがあって、価格が価格なので、ダメもとで。
 大正解!
 音の善し悪しがオレはもひとつワカランのだが、フォノイコライザーではどうしても取れなかったノイズがほぼ皆無。音も透明感が増したというか。

 今、古いプレイヤーを引っ張り出してアナログ・レコード聴いたろか、という人には一番安いばら売りのフォノイコライザーを買うより、エエかもしれん。もちろん、「ジャンク」なので、かなりリスクが伴う。それよりなにより、バカでかい。重さも重く、20キロほどもある。
  こうなったら、毒を食らわば皿まで、と物置にしまっておったやはり二〇年もののスピーカーひっぱりだしてつなげたら、音が出た。こっちの方は、あまりボリューム上げて聴ける環境ではないので、「こんなものか」程度だったが。当時はちっこいスピーカーと思っていたが、出してみると意外にバカでかかった。そいでも、ロジクールの安もんの5.1chで2チャンネルのCDを聴くより、なんとなく、自然な音のような気がする。

 8,400円のアンプに調子にノって、アナログ、やはり十五年ものの、MCカートリッジでレコードがんがん、聴いとったのはいいが、ある朝MCカートリッジ見たら、針が直角におっ立っていた。まあ、このMCカートリッジの性別がなんとなくわかるエピソードであったが、要するにレコード針の根本を支えるとこが、さすがにアカンようになったみたいである。
  そいで、そのカートリッジ、幸い、今も製造しており、ジョーシンに行って聴いたら、針交換(といっても新品交換)に二万かかるという。
 
 
 来月か再来月になるかわからんが、針交換したろやないか、という気分になっている自分に気がついて怖い。二万あれば、CDやDVD、何枚買えることだろう。しかし、アナログはやっぱ金がかかる。

2010年12月10日金曜日

インメンツのMeet the Beatles - Live in Paris (Bonus Tracks)

 ビートルズばっか聴いとると、風呂に長く長く長く浸かっているような気になってくるのは、オレだけ?

 しかも、このところ、テレビつけてたら、 Norwegian Wood (This Bird Has Flown)ばっかかかって、なぜか、優しくなって、日本人初の孔子平和賞受賞にちゃれんじしたくなってくるぅ。
 アカン。ビートルズ聴くと(あくまでもオレ個人の場合)、人間がダメになってくるぅ。菅直人みたいに何もわかっていないのに語りたくなってくるぅ、仙石なにがしみたいに知ったかぶりなってくるぅ、脳内が小野洋子みたいになってくるぅ(くれぐれも、名前を挙げた方々に悪意はひとつもありません。それどころか尊敬してます。念のため)。このままじゃ、2万円のモノじゃないの方のビートルズの日本版のボックス、Amazonでぽちりそうで怖い。


"ザ・ビートルズ・モノ・ボックス(アンコール・プレス)" (ザ・ビートルズ)

 
 シャキっとせなあかん。
 所詮ビートルズはワシら一般庶民には高度すぎるのであーる。

 

"Meet the Beatles: Live in Paris" (Inmates)

[1] Little Child
[2] I'll Get You
[3] She's A Woman
[4] You Can't Do That
[5] Day Tripper
[6] Back In The USSR
[7] We Can Work It Out
[8] I Wanna Be Your Man
[9] Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
[10] Birthday
[11] I Saw Her Standing There
[12] Get Back
[13] I'm Down
[14] Hey Jude
ENCORE:
[15] Dirty Water
[16] Jeannie Jeannie Jeannie
[17] Tell Me What's Wrong

 そこで、インメンツの「Meet the Beatles - Live in Paris」(1988)、ぶっ聴く。デカい音量にしたいが、年取ってヘッドフォンでの大音量しんどくなっているからほどほどで。


 3曲目のShe's A Womanから、You Can't Do That、Day Tripper、Back In The USSR、We Can Work It Out、I Wanna Be Your Man、Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band、Birthday、I Saw Her Standing There、Get Back、I'm Down、Hey Judeまで、全力疾走息継ぎ無し疾走、疾走、疾走あるのみ。あのほんわかしたバースデーすら、海老蔵のあの一夜並の出血覚悟のワイルドさだ。ヘイ・ジュードはさながら、小林麻央の頭下げる姿を彷彿させるほど過剰な感情移入してやっている。

 ビートルズマニヤの方に怒られそうだが、このアルバムを、まあ、わかりやすく、かなり歪曲し翻案し意訳し「喩える」と、ビートルズがハンブルグへ出稼ぎ行ってた頃のノリを30%ほど増幅した感じ・・といえば、おわかりいただけ・・・ないわな。あかんあかん、これじゃインメンツファンも怒らせてしまうか。まあ、ビートルズのみんなが大金持ちになりライブをイヤがりみんなインテリぶってしかもワガママ言いだしてバラバラになりかけた頃の曲もたくさんやっているわけだが、その中期以降の曲、ハンブルグのノリでやったら、こうなるのかなあ、ちゅう感じがして、オモロかった・・あくまでも、オレの個人的な感想。
 
 今聴き終わったのだが、爽快爽快。
 シャキッとした。
 さっぱり。後腐れ一切なし。
 ビートルズ、聴くのはええが、なにか、後に残るもんなあ。
 ま、これで、CMでノルウェイの森聴いても、理屈をオシャレに捏ねることなんかやめて、直子も緑も腰が抜けるまでイヤになるまでヤッたらええねん、と思えるまで復活した。

 また、中学時代、ビートルズ聴いたあと、中学校時代のオレがキンクスやザ・フーに走った理由が今なんとなくわかった。
 
 インメンツについては殆ど知識皆無で、ここらへんを参考にしていただきたい(http://www.beat-net.info/inmates/)。

 しかし、上のアルバムAmazonでは廃番でクソ高い中古しかない。そいで、不思議なのはオレはiTunes Music Storeで買った(2006年2月)のだが、今調べたら、外されていた。

 

2010年12月9日木曜日

兵(つわもの)どもが夢の跡

 まあ、日本、ちゅうとこは、前を向いたらあんまし進歩せんかわり、横を見始めると何故かスゴイ進歩をし始めるから不思議であーる。

「隣」のヤツに追いつき追い越せだけで、もう、それはトンでもないパワーを発揮するのであーる。クルマ然り電化製品然り、そして、オーディオ然りである。人類の未来はおろか、客の方なんかいちべつもせず、単にライバル会社の新製品だけを食い入るように見て、「ちょっとだけ」高機能にして「ちょっとだけ」デザインや付加価値で、差別化して「ちょっとだけ」価格をなんとかして、徹夜の連続で、こさえられた「新製品」があのオーディオブームの頃はそれこそ毎月のように各社から次から次へと生み出されていたのであーる。そいで、評価は、売り上げ、だけで冷徹に評価される。

 でも、この方法で、日本のオーディオというものは、短期間でスゴイ進化だけは遂げたのであーる。ただ、客のことをあんましというか全く考えんかったため、客が一斉にその熱が冷め売れなくなったら、こういう時に限って、客の要求を丸呑みし、容赦なく、かなりのレベルに達したそれまでの蓄積、技術者工場ラインをばっさり、捨てて、撤退し、次の競争の製品に移り、そこでまた同じことが繰り返されるワケである。

 人類の未来まで考えてしまうアップルには負けるし、日本と同じアプローチの仕方をとり、パクリが巧くて早い、しかも人件費から土地やら材料やら何もかもが安上がりにできる国々の商品には、当然、勝ち目なく、ケチョンケチョンに負けるわけであーる。


 ちょっと「らしく」ない話題で申し訳ない。


 というのも、近所のブックオフにハードオフがついていて、 そこをちょっと覗いてみたら、ジャンク扱いでかつての国産の名品名機と呼ばれた製品がずらっと並んでおって、殆どが高くて一万円そこそこと云った有様なのに対し、欧米のやたら高いだけのやつは別扱いされ、依然かなりの価格をつけておったのを見たからであーる。もちろん、ジャンクはジャンク。かなりの年数が経っておる上、動作すらも保証の限りではないし、ハードオフに行かずとも高架下など行けばもっともっとあるし、第一、殆どが今はもう粗大ゴミとして処分されてしまっているに違いないのである。そいでも、兵(つわもの)どもが夢の跡気分にはちょびっとだけなった。

 おまけに帰ってニュース見ると、三菱自動車がタイで100万円以下のクルマ作る、という。もちろん、新興国向けに海外で安いクルマ作ったろうちゅう会社は、三菱だけではない。日本の他の自動車会社も同様の動きがある。例の「横」を見てしまったのだろう。でも、そこでひっかるわけである。50年近く自動車作ってきて、得たのちゅうたら、安グルマを作るノウハウだけやったんか? まあ、しばらくはそいで、イケるかもしれん。でも、いずれ、あっという間に、「日本と同じアプローチの仕方をとり、パクリが巧くて早く、しかも人件費から土地やら材料やら何もかもが安上がりにできる国の商品が出てきたら、当然、勝ち目なく、ケチョンケチョンに負ける」わけであーる。 日米開戦より勝つ確率高いとは思えないのであーる。そういえば、真珠湾からミッドウェイまで、たった半年だった。
 
 落ち目の国というのは、こういう感じなのだろうか。ひどすぎるのは政治だけじゃない。


 「らしく」ない話題で申し訳ない。
 

【バンコク=高橋徹】三菱自動車の益子修社長は9日、タイのバンコクで記者会見し、同国に小型乗用車の新工場を建設する計画を正式に発表した。2012年3月から生産・販売を開始し、東南アジアだけでなく日本や米欧などにも輸出する。同社長は「日本でも100を切る価格を目指す」としており、世界中で需要が拡大する低価格・低燃費の小型車の生産基地に、タイを位置付ける。

[From 三菱自、タイの新工場建設を発表 小型車生産基地に  :日本経済新聞] 万円

2010年12月8日水曜日

ビートルズの「Mono Box」米盤

 海老蔵会見。目が充血してたため、見なかった。痛そうなのは、イヤです。

 開戦記念日。ありとあらゆる戦争の持つ悲惨さを度外視すれば、どう考えても、歴史のあの時点で、ウチとこの国が開戦に踏み切らねば、世界地図は今持って、戦前のまんま、つまり、ありとあらゆるとこ植民地だらけだったのは、ありますまいか?世界の殆どが少数の国の植民地だらけだったら、もちろん、凄惨な弾圧と内戦がボコボコ起きているが、あくまでも、それは「国内」問題であって、世界的にみれば、「平和」でもある。
 もちろん、ウチの国は敗戦時の重度のPTSDに60年以上経った今なお病んでいるわけであるが。負けた国にはいくら憲法がどうのこうのなんぼ云うても、実は平和をコントロールする力なんか誰も持たせてくれないのであーる。シリアス。
 合掌。

 iTune Music Storeで大大宣伝した挙句が単にビートルズがiTunes Music Storeで買えるようにだけだった、という事件から、幾星霜。まあ、あの時、変に、ビートルズ全曲プレビューというのしてしもて、ちょっと気分がビートルズ(©浅井愼平)になってもて、熟考を重ねた挙句、米Amazonから、「モノボックス」を注文した。ケチって船便にしたため、きっちり二週間かかり、先週末届いたのであるが。

 円高のおり、130ドル(約一万千円)+20ドル弱だから、税金で根こそぎ持って行かれたオレでも手が届いたわけで、なんぼ国粋主義者であるオレでも、その2・5倍以上もする国内盤が手が出ないし、そもそも、ビートルズにそこまで金使う気には到底なれなかった。マニヤじゃなく、30年以上前の中学の頃ファンだったに過ぎないのである。
 

"The Beatles Mono Box Set" (The Beatles)

 下のが日本盤。そりゃ歌詞カードやら訳詞に費用がかかるのはわかるが。価格差がひどすぎるのではないか。


"ザ・ビートルズ・モノ・ボックス(アンコール・プレス)" (ザ・ビートルズ)

 モノボックスというからには、全てがモノラールかと思えば、「ヘルプ!」と「ラバーソウル」には、モノラールとボーナストラックでステレオバージョンが入っている。また、ファーストの「プリーズ・プリーズ・ミー」から、「ホワイト・アルバム」までのアルバムまでの音源とシングルやら集めたパストマスターズのモノラール版モノマスターズまでで、「アビー・ロード」やら「レット・イット・ビー」やらは、最初からステレオ録音で出たアルバムは入っていない。そいでも、13枚組全213曲である。生まれて初めて、「マジカル・ミステリー・ツアー」アルバムで聴いたぞ!
 
 あと、友人とこで一度聴いて好きになったものの、それっきりになってた、「ヘイ・ブルドッグ」が三十数年ぶりに聴くことができて、ウレシイ。
 昔は「ラバーソウル」や「リボルバー」あたりの音が好きだったのだが、今は、初期の「アンナ」やら「ベイビー・イッツ・ユー」や「 Do You Want To Know A Secret」や「Devil In Her Heart」「You Really Got A Hold On Me」「I'm Happy Just To Dance With You」とか胸キュン系がエエ。特に「Devil In Her Heart」なんか、最高やんけ。

 Amazonのカスタマーレビューとか見ると、「ステレオ」か「モノ」であれやこれや、マニヤ特有のあれやこれやの議論が盛んだが、まあ、オレの場合、単純に、モノラールの音の方が好きというか、エエ音悪い音考え無くて済む分、音楽に集中できるのであーる・・・とここまで書いて、日Amazon見てたら、こーゆーのが、なんと、2万円ポッキリで。


"ザ・ビートルズ BOX(完全限定盤)(DVD付)" (ザ・ビートルズ, ザ・ビートルズ with ビリー・プレストン)

 全アルバム入って、しかも、DVDついているし・・・。最初からこの価格で出てたら、こっち買ってたのに。
 後悔先に立たず・・・「レット・イット・ビー」「アビー・ロード」なんか要らん、一曲百遍聴いたら意自ずから通ず、歌詞カードや訳詞なんか要らんわい。DVDなんか邪道極まる。やっぱ、ビートルズはモノラールで聴くもん、音かてモノの方がエエんじゃ。モノラールの方がエエんじゃ・・・。

 ビートルズに関して、素直な感想云うと、それこそ、世界中で億単位の「敵」を作ることになるし、それどころか、子々孫々に至るまで祟るであろうから書かんが、音そのものが「イモ」臭いのはなんとかならんのか?

 

2010年12月4日土曜日

Make It With You

 こういう噂が出てくると、やっぱ心配ですわ。

プロ野球のヤクルトは4日、同日付の日刊スポーツが「インターネット広告会社『サイバーエージェント』への球団売却を検討している」と報じたことを受け、「全くの事実無根です」とのコメントを発表した。球団幹部も毎日新聞の取材に対し、球団売却を否定した。

 また、サイバーエージェントの藤田晋社長も同日午前、簡易ブログ「ツイッター」に「朝起きて、一気に目が覚めました。初耳です(笑)」「五年前からヤクルトファンになったから嬉(うれ)しい話だけど」と書き込み、買収を否定した。

[From Yahoo!スポーツ - プロ野球 - ニュース]

・・・・・ヤクルトファンならしゃあない。ヤクルトファンには悪人はおらん・・・。こういうのも何かの縁だ。金だけでも援助しなはれ。

 最近音楽は、アナログ否ヴァイナルばっか聴いてる。

 けっこう、レコード一枚聴くのも、かなり時間がかかるわけで、レコード出して、レコードクリーナーで拭くわけだが、今の季節、逆に静電気が発生して、ホコリがついてしまったりして、困る。あれやこれやしているうちに、「ま、エエわ」の境地に達するまでが少しかかる。
 そいで、カートリッジのセットである。これも、選ぶとこからだから、大変で、今なんかレコードプレーヤーセッティングして間もないので、カートリッジとっかえひっかえして音が違って聞こえたりするのがオモロイもんだから、困る。針圧とか高さがどうのこうのしているうちに「ま、エエわ」の境地に達するまでが、少しかかる。

 そいで聴きまくるのが、あいもかわらず、シュガー・マイノットとキャロル・トンプソンのデュエット「Make It With It」あたりだから困る。
 これは1981年あたりに出た曲(英盤のグッドシングゴーイングあたりに入ってた筈)で、さすがにオレも耳にタコができるぐらい聴いている筈であるが、アナログ、否、ヴァイナルであらためて聴くと、これがまた良く、キャロル・トンプソンの伸びきった声と抑えの効いたシュガー・マイノットの声が飛び交い、爽快である。アナログなもんで、曲が終わるたんびにカートリッジひょいと持ち上げまた最初から聴きなおすという感じで、耳はタコで溢れ、さしずめ、タコ壺状態でそのうち、そのタコ狙ってウツボが現れる勢いである。

 さて、「無知」とは怖ろしいもので、今日、この曲のオリジナルが米国のソフトロックバンド「ブレッド」のヒット曲ということを生まれ初めて知ったわけだ。邦題もついていて、「二人の架け橋」という具合で、何と、1971年ビルボード全米一位シングルである。早速、iTunesMusicStoreで探したらすぐあって、ついでに、クロディーヌ・ロンジェのカヴァーもあったので一緒に購入して、聴いているが、ど派手なラヴァーズ・ロックと化したシュガー・マイノット版を聴き慣れた耳には、アコーティスックギターがステキなしっとりした曲という感じがして、これはこれで、エエわけである。
 訳詞もあったので、一緒にリンクはっておこうっと。

Make It With You (二人の架け橋)

ヘイ、君は本当に
反対側に渡ろうとしたことがあるのかい
僕は虹を渡って行くかもしれない
でもベイビー、さあ行こう
そこには眠りについた人々の夢がある
僕たちが生きて行く人生
もしこの先を不安に思うなら
僕は君と一緒に生きて行きたい
二人ならうまくやっていけるよ、ガール

いや、君は僕のことをあまり分かってないね
本当にささいなことも、時がたてばわかるさ
僕のする事を信じておくれ
そうすれば何もかもわかって来る
人生は短くも長くも思え
愛にも浮き沈みがある
もし好きな人生を選べるなら
君と一緒にいられる方がいい
僕たちはうまくやっていけるさ、ガール

ベイビー、眠るから夢があるんだよ
僕たちのために夢を生かそう
好きな人生を選べるなら
君と一緒のほうがいい
僕たちならうまくやっていけるよ

[From 天使が舞い降りるFLOWER ROAD♪ : Make It With You---二人の架け橋---]

Make It With You (二人の架け橋)

2010年11月28日日曜日

「ほたえな」の無い竜馬暗殺なんて

 岡村隆史復帰。もう、40になっているのか。そりゃ、シンドイだろうな。
 海老蔵事件、イロイロ云われているが、海老蔵こそが今の「カブキ者」かもしれん。いや、現在のリアル「カブキ者」の被害者か。どっちにしろ、死んだ芸術になってしもた「歌舞伎」にちょっとは刺激に・・・ならんだろうな。

 ああ今年ももう終わりか・・。
 龍馬伝最終回。
 なるほどなるほどなるほど。
 最終回にして、ようやっとわかった。

 まあ、オレの持つ坂本龍馬に関してのパブリックイメージ(個人が持つのにどこがパブリックか、ちゅうのは置いとく)というのは、司馬遼太郎に植えつけられたもんで、そもそも、司馬遼太郎が「竜馬がゆく」ではなく、「慎太郎がゆく」 を書いとったら、今頃は、中岡慎太郎こそが英雄視され、幕末のスタア人気投票ナンバーワンだったワケで、かなり司馬遼太郎の「創作上の人物」と云っていいほどの存在である。あえて、その司馬遼太郎の龍馬像を否定し、史実からいうと、そもそも、幕末から明治維新にかけて、「脇役」でしかない坂本龍馬をこの龍馬伝では、ムリヤリ維新動乱時の「主役」扱いするとこにすべての問題があるわけである。


 今日の放送では、ついにGHQに与えたれた「戦後民主主義」のコンセプトを説くという芸当までさせられていた。これ以上長生きしたら、そのうち、今の憲法の九条まで説いてまわる勢いである。坂本龍馬は幕末の鳩山由紀か菅直人か?、ちゅうもんである。
 「今」の感覚で過去を描くのは反則であるが、まあ、それがNHK大河だからしゃあないのであるが、そいでも・・それならそれで、かつての「新選組!」(坂本龍馬と近藤勇土方歳三は一緒に黒船来航を見て、以降も仲良しだったのだ!)ほどの割り切りもない。また、NHK大河の歴史からゆうて、織田信長豊臣秀吉徳川家康前田利家から上杉謙信直江兼続源頼朝義経、ついには足利尊氏近藤勇天璋院篤姫に至るまでNHK大河ドラマの主人公になった瞬間、みんな日本の「平和」を心からねがっていたというハンディも今回の坂本龍馬は当然、課せられているのである。

 だいたい、

 勝海舟を暗殺するつもりで会いに行って、 イキナリ、龍馬が勝海舟に「弟子にしてください」と頭を下げて勝海舟を殺す気マンマンの千葉道場のセガレの殺る気を削ぐシーン

 やら

  近江屋事件の前後あたり、新選組が最も調子づいていた時、バッタリ、新選組と出くわしたものの、そばにいた子犬を抱き上げ、頬ずりしながら、あっけをとられポカンとしてしまった新選組一行の、堂々と正面から通り過ぎるシーン

 とか、

 寺田屋で襲われたとき、風呂に入っていたおりょうが「真っ裸のまま」階段を駆け上がり、二階の龍馬に知らせに行くシーン
 
 とか。

 オレが、思わず、「カッチいい!}とシビレてしまった定番のシーンが今回ことごとく排除され、今の内閣の人間を連想させるような、やたら長くクドクドしい中身があんましない言葉をベチャベチャしゃべり、そのうち、感極まって大声で泣き始めたりする、反「司馬遼太郎の竜馬像」 で終始した。龍馬を「心の良い凄い人物」に書こうとして、やたら、岩崎弥太郎をはじめ周りの人間に彼を持ち上げさせるとこが多かったが、むしろ、いやらしさを感じてしまった。

 云うてみたら、この龍馬伝の龍馬は今の日本の基礎を作った人物、それこそ、木戸孝允西郷隆盛大久保利通勝海舟徳川慶喜ら真の幕末の主人公達と並び称される人物として描こうとしているが、司馬遼太郎史観にどっぷりのオレからしてみたら、むしろ、明治維新以降の今の日本とはまったく別の「もう一つの日本」を夢想した人物、としての魅力の方がバカでかいのである。今の日本の礎を築く栄誉、程度の低いレベルで満足してもらったら困るのであーる。

 本当のこというと、坂本龍馬は早死し、なおかつ維新後、ずっと忘れ去られ、日露戦争あたりになって、明治皇后の夢枕に立ちようやく思い出されたような人物なので、いくらでも、でっち上げることのできる人物なので、ドラマを創った俳優から脚本監督全員の、イメージ想像力がそのまま現れてしまうワケで、「龍馬のかっこよささ」の表現がこうも貧困でありきたりで「今」を一歩も抜け出ないものであるとガッカリしてしまうのである。かつてのあまたあるフィクションの坂本龍馬が持っていた「今」すらをも、軽く飛び越えてしまう「何か」は、今回、大河で、せっかく、新しく「坂本龍馬」を描くのなら、いや描くチャンスをもらったなら、その「何か」はなんだったのか、にチャレンジする「志」が欲しかった。


 これじゃ、長生きして明治維新を迎えたとしても、二流の岩崎弥太郎になったり、薩長から排除され、二流の江藤新平あたりになったり、二流の板垣退助(そういや、乾退助、今回出ていたのであろうか)になってたり、が、オチである。龍馬が以降も長生きしたら、明治政府のかわりに、イキナリ、「戦後日本」が始まった、なんて、貧弱なオチも要らん。
 そうじゃないだろう、そうじゃないだろう、と思うが、まあ、それが、人気投票永遠のナンバー2福山雅治が演ずるところの「今」の坂本龍馬像であるのである。
 

 最後、やっぱり、謎の市川亀治郎一行が近江屋に押し入り、あの相撲取りが龍馬たちに知らせようと階段を駆け上ろうとしたら、龍馬に「ほたえな」と怒鳴られ、バッサリ斬られて死んじゃうシーンぐらいは、司馬遼太郎遺族の方々に原作料払っても入れて欲しかった。
 次は上野樹里が主演か。のだめみたいなお江ならウレシイが、そうじゃなくても、ファンである上野樹里、ファンである宮沢りえ、ファンである水川あさみとか抑えるべきとこはちゃんと押さえとるがな。うん、NHKも考える人は考えとる。今度は全部見ようっと。
 まあ、イロイロ文句云うたけど、福山雅治という「男」が主演してたから、だけかもしれん。 むさ苦しい男同士のあれやこれやは、シンドかった。

 

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