まあ、日本、ちゅうとこは、前を向いたらあんまし進歩せんかわり、横を見始めると何故かスゴイ進歩をし始めるから不思議であーる。
「隣」のヤツに追いつき追い越せだけで、もう、それはトンでもないパワーを発揮するのであーる。クルマ然り電化製品然り、そして、オーディオ然りである。人類の未来はおろか、客の方なんかいちべつもせず、単にライバル会社の新製品だけを食い入るように見て、「ちょっとだけ」高機能にして「ちょっとだけ」デザインや付加価値で、差別化して「ちょっとだけ」価格をなんとかして、徹夜の連続で、こさえられた「新製品」があのオーディオブームの頃はそれこそ毎月のように各社から次から次へと生み出されていたのであーる。そいで、評価は、売り上げ、だけで冷徹に評価される。
でも、この方法で、日本のオーディオというものは、短期間でスゴイ進化だけは遂げたのであーる。ただ、客のことをあんましというか全く考えんかったため、客が一斉にその熱が冷め売れなくなったら、こういう時に限って、客の要求を丸呑みし、容赦なく、かなりのレベルに達したそれまでの蓄積、技術者工場ラインをばっさり、捨てて、撤退し、次の競争の製品に移り、そこでまた同じことが繰り返されるワケである。
人類の未来まで考えてしまうアップルには負けるし、日本と同じアプローチの仕方をとり、パクリが巧くて早い、しかも人件費から土地やら材料やら何もかもが安上がりにできる国々の商品には、当然、勝ち目なく、ケチョンケチョンに負けるわけであーる。
ちょっと「らしく」ない話題で申し訳ない。
というのも、近所のブックオフにハードオフがついていて、 そこをちょっと覗いてみたら、ジャンク扱いでかつての国産の名品名機と呼ばれた製品がずらっと並んでおって、殆どが高くて一万円そこそこと云った有様なのに対し、欧米のやたら高いだけのやつは別扱いされ、依然かなりの価格をつけておったのを見たからであーる。もちろん、ジャンクはジャンク。かなりの年数が経っておる上、動作すらも保証の限りではないし、ハードオフに行かずとも高架下など行けばもっともっとあるし、第一、殆どが今はもう粗大ゴミとして処分されてしまっているに違いないのである。そいでも、兵(つわもの)どもが夢の跡気分にはちょびっとだけなった。
おまけに帰ってニュース見ると、三菱自動車がタイで100万円以下のクルマ作る、という。もちろん、新興国向けに海外で安いクルマ作ったろうちゅう会社は、三菱だけではない。日本の他の自動車会社も同様の動きがある。例の「横」を見てしまったのだろう。でも、そこでひっかるわけである。50年近く自動車作ってきて、得たのちゅうたら、安グルマを作るノウハウだけやったんか? まあ、しばらくはそいで、イケるかもしれん。でも、いずれ、あっという間に、「日本と同じアプローチの仕方をとり、パクリが巧くて早く、しかも人件費から土地やら材料やら何もかもが安上がりにできる国の商品が出てきたら、当然、勝ち目なく、ケチョンケチョンに負ける」わけであーる。 日米開戦より勝つ確率高いとは思えないのであーる。そういえば、真珠湾からミッドウェイまで、たった半年だった。
落ち目の国というのは、こういう感じなのだろうか。ひどすぎるのは政治だけじゃない。
「らしく」ない話題で申し訳ない。
【バンコク=高橋徹】三菱自動車の益子修社長は9日、タイのバンコクで記者会見し、同国に小型乗用車の新工場を建設する計画を正式に発表した。2012年3月から生産・販売を開始し、東南アジアだけでなく日本や米欧などにも輸出する。同社長は「日本でも100を切る価格を目指す」としており、世界中で需要が拡大する低価格・低燃費の小型車の生産基地に、タイを位置付ける。
[From 三菱自、タイの新工場建設を発表 小型車生産基地に :日本経済新聞] 万円