尾崎奈々の「赤い波」(1968 池田充男作詞 伏見竜治作曲 山倉たかし編曲)めあてに、
シングル・コレクション Original recording remastered 涼川真里+尾崎奈々
そう、Original recording remasteredなのだが、肝心の「赤い波」、盤落としみたいで、スクラッチノイズが入っており、「キューティ・ポップ・コレクション ラブレターエディット」(日本クラウン)の音源と、同じような気がする。
でも、やっぱ、スゴい曲。
「シングル・コレクション」、尾崎奈々は、5曲。「青春の二人」、「バラ色の町」、「くちづけを有難う」 とかまでは、ど青春歌謡、わりと譜面どおり大人しく、松竹の女優尾崎奈々のイメージどおりに、唄っている感じがする。「渚はひかってた」のB面、「赤い波」は、もう、ヤケクソ気味に声を張り上げ、声が裏返ろうが声がかすれようが、リズムに無理やりノろうとしている強引さがたまらない。
ライナーみたら、「サイケデリックな味付け」とかあるけど、どこやねん?ちゅう感じ。まあ、「たそがれの赤い波」に、別れた恋人を返して、という歌詞で、サイケデリックといえば、サイケデリックだが、この当時、この程度の不条理さはあたりまえだった。泉アキなんか、「ひろしぃぃ」と海に向かって大声で叫んでるし。当時、湘南付近、尾崎奈々がおった松竹の大船あたりまで、たちのよくない男が徘徊していたらしく、おんなのこ、と付き合っては、どっか行ってしまったらしく、この時代の女性が唄う海では、「彼」に関する歌が多い。ちょっと、まとめてみたい欲求にかられてる。だいたい、黛ジュン「天使の誘惑」もピンキーとキラーズの「恋の季節」も、そうやって、捨てられ・・いや、「彼」にどっかに行かれてしまったおんなのこの歌である。
女優が唄った曲としては、緑魔子「信じていたい」、大原麗子「ピーコック・ベイビー」と並んで、何度聴いたかわからないほど、好きな曲である。女優尾崎奈々も大好きなのだが、それ書くと、ほれ、いつもみたいに、ごっちゃ、になっちゃうから。