昨年の11月になって、ようやっと、佐良直美のゴールデン・ベストが出た。佐良直美のベストが出るのは、CDの時代になって初めて、というから、あれほどのメガヒットを持つ歌手としては、信じられない。
まあ、ワシら世代にとっては、小学生の頃、「世界は二人のため」(1967年)と「いいじゃないの幸せならば」(1969)が大ヒットし、テレビ、フツーに観とるだけでも、もう耳にタコができてついにはそのタコが発酵しついには酸っぱくなってくるぐらい聴かされたものである。あと、ドラマや紅白の司会など、まさに一時代を築いた歌手といえるだろう。
もうあまりにものヒットで、これらの歌は慣用句みたいになってしまい、ケンカしとると、「いいじゃないの幸せならば」と歌いながら仲裁が入ったり、山頂やら東京タワーやら展望台とかで街全部を俯瞰できる場所に行けば、思わず、「ふたりのためぇぇ、世界はあるの」とつい口ずさむありさまだ。こうした状態が、おそらく、10年は続いたと思う。
まあ、そうした、あまりにものtoo much感からか、歌謡曲ちゃんと聴くようになっても、佐良直美?もうエエわ状態が続いていたし・・・それよりなにより、オレの今後の人生、修行に励んで是非とも克服したい致命的な欠点「面食い」がかなりの部分作用していたことを、今さらながら謙虚に反省しておかねばなるまい。
1昨年だったか、「Japanese Bossa Nova 今宵歌わん」というコンピに入っていた「私の好きなもの」(1967年 永六輔作詞いずみたく作曲)というボサノバ歌謡に、骨の髄までヤられてしもた。声がボサノバにぴったしなのであーる。ソフトロックドライヴィンのビクター編に入っている「笑わないで」にもはまった。筒美京平の「ギターのような女の子」(1969年)も、大好きになった。ともかく、「世界は二人のため」(1967年)と「いいじゃないの幸せならば」(1969)以外の曲というだけで、スゴく新鮮にきこえてしまうのだ。
軽めに歌っているときは、低めの声にほどよくノイズが混じり、まあ、この時の声が曲の展開によって、ここぞと云うとき、そのノイズがさっと消え、芯のある声がすぅっっとどこまでも伸びていく、このあたりが、オレにとっての、佐良直美の歌の気持ちよさだろう。
てなもっともらしいこと書いてしもたが、今日は、このゴールデンベスト聴いていっているんだが、アカンがな、「いいじゃないの幸せならば」にはまってしもたがな。これは、ノイジーな彼女の声のまま、最初から最後まで、抑え気味に唄っているんだが、それだけで、歌のさまざまな表情を表現しており、これも、また、イイ。
ちゅうことで、ホンマ、「世界は二人のため」「いいじゃないの幸せならば」の二つの名曲があんましにもスゴいので、他の曲がマスキングされしもてるのかもしれん。CD化されていないスゴい曲が何曲もあるんだろうと思う。ゴールデン・ベストの、たかが21曲で収まる歌手じゃないわ。ボックスセットは買うのしんどいから、ぼちぼちとLP時代のアルバム、CD化していって欲しいものである。
ちゅうことで、あとは、ウィキペディアに任せる
ウィキペディア 佐良直美
あと、ゴールデンベストのwikiまでもでけていた!
ウィキペディア GOLDEN☆BEST_佐良直美
"GOLDEN☆BEST~忘れ得ぬ名唱・佐良直美~" (佐良直美)
曲名リスト
世界は二人のために 1967
私の好きなもの 1967
星になりたい 1968
すてきなファーニー 1968
知らないで愛されて 1969
いいじゃないの幸せならば 1969
どこへ行こうかこれから二人 1969
生きてるって素晴らしい 1971
片道列車 1971
のんびりやるさ 1972
別れ話は背中にしてね 1972
花のフェスティバル 1972
夜明けの歌 1969
君待てども 1969
ありがとう 1974
ひとり旅 1976
速達 1976
時計館 1977
愛の消しゴム 1978
テネシー・ワルツ 1970
リリー・マルレーン 1976
あと、下のが先に出た。まだ聴いていない。
"〈COLEZO!〉ビクター流行歌 名盤・貴重盤コレクション(16)素晴らしいフォークの世界" (佐良直美)、