しかし、最近、やたら食いもん番組が増えているのは、まあ、しゃあないとして、それを食っているヤツをさも羨ましそうに嬌声(で、しょう?)をあげているシーンが多すぎる。もちろん、演技だろうが、どんどんエスカレートして、最近では、もう殆ど「よがり声」の域に達しとる。ほとんど、犬か?
おいしく食うのはエエと思うが、他人の食うとこ見ながら大騒ぎするのは、なあ。
秋頃から、またもや、歌謡曲のオレのスキそうな歌手(まあ、おねえちゃん系が多いが)のアルバムが再発されたり、或いはベストアルバムとして、どっと出ておるんだが、いかんせん、秋、タイガースやスパイダースのDVDボックス買ってしもたんで、すっからかんになって、手が出なかった。
しかも、タイガースやスパイダースの映画ばっか観てたら、そりゃ、気分は、でっかい太陽が恋の女神なのさ、シーサイド・バウンド、ゴーバウンドシーサイド・バウンド、ゴーバウンド(へいへいもう一丁)シーサイド・バウンド、ゴーバウンド!、ちゅうもんで、そういうおねえさま方のアルバムの世界へは、大人すぎて怖く、ちょっと、ちゅう感じやったんや。
ちゅうことで、季節は変わり、さすがにグループサウンズにも飽きが来たのか、今日、ようやっと、沢知美の昭和44年(1969年)アルバムの再発「人の気も知らないで」流していたら、その中の「メランコリー」にはまった。で、例によって、今、リピートさせて聴きまくりながら、ここ、書いとる。このパターン、久しぶり。
人の気も知らないで 沢知美 コロムビアミュージックエンタテインメント 2007-10-24 by G-Tools |
収録曲
01. 知りすぎたのね
02. つめ
03. 思案橋ブルース
04. 素敵なあなた
05. ロンリー・ブルー・ナイト
06. メランコリー
07. 人の気も知らないで
08. 夜にとけたい
09. ポート・ヨコハマ
10. ウナ・セラ・ディ東京
11. 夢の終り
12. あいつ
【ボーナストラック】
13. 私にいわせて
14. アンブレラのブルース
15. ひと夏の恋だった
16. モーニング・ブルース
17. 私はかもめ
18. 罪ある女
19. 夏の女
20. ブルー・モーニング・ブルース
沢知美は、なんか、元々は女優として出て、このアルバムの出た1969年は、「イレブンPM」11PM - Wikipediaのカヴァーガールしてたそうだが、ジャケットで観る限り、なるほど、メッチャクチャええ女や。
他のコンピに入っていた「モーニング・ブルース」やら、派手なやさぐれ系統は今は気分じゃないんだろう、それに以前、聴いたことあるせいか、あんまし、ピンとこず、あんまし期待しなかった、「知りすぎたのね」やら「つめ」とかカヴァーが主のアルバム部分(1−12まで)に惹かれている。もう、殆ど、昭和44年頃の赤坂あたりのナイトクラブにおるような気分である。
で、今聴いとる「メランコリー」。よう知らんので、調べたところ、元はそれこそビング・クロスビーあたりみたい、わが国では越路吹雪を始め石原裕次郎やらカヴァーしまくっておるんだが、オレにしてみたら「聴いたことあるなあ」というほんわりした感じだけで、沢知美のこのバージョンが誰のカヴァーのカヴァーかわからんが、声がしっとりしていて、全く素直に、しかも、なめらかに音符を追っていく感じで、くりかえして聴いても、聴き疲れが全くしない。
特に、歌詞の最初の「メランコリーやるせなく」の部分が気持ちええ。メラン・・コリーで、「コリー」のところすぅうううっと伸びて、息継ぎを入れず(越路吹雪のバージョンではそこで深い息継ぎが入る)そのまま、残りの息をうまいこと使って、さっと「やるせなく」につなげていく部分なんか、おいちゃん、メロメロになってまいます。ここの部分が素晴らしいので、あと何度かくりかえされるから、もう「勝った」ようなもの。
やたら「溜息」を入れたりしなくても、フツーになめらかに感情を少し入れて歌うだけで、これだけ、セクシーなのは、スゴいと思います。
メランコリー (MELANCOLIE) 越路吹雪 歌詞情報 - goo 音楽
メランコリー やるせなく
しのびよる淋しさ
酒と煙草に 溺れて
涙ぐむ 女ごころ
夜毎に しのびよる
はてなき かなしさ
酒をくみかわしながら
夜明けまで狂う
恋人も明日も いらぬ
なんにも いらない
酔いしれては 飲み明かそう
気の狂うまでは
メランコリー おそいくる
心のむなしさ
ひとり涙をこぼして
酒を飲む夜よ
恋人も明日も いらぬ
なんにも いらない
酔いしれては 飲み明かそう
気の狂うまでは
メランコリー おそいくる
心のむなしさ
ひとり涙をこぼして
酒を飲む夜よ
もちろん、「メランコリー」だけがええ曲ちゅうわけでもなく、この水準をアルバム全体の各曲に対しては、いわば、最低保障してあるようなもんで、「11PM」のカヴァーガールやちゅうても、凄いもんである。ボーナストラックの方では、「夏の女」とか「ブルー・モーニング・ブルース」とかアルバムとは別系統の歌も、かなりの消化力を持って歌っている。