あれほど暑い暑いとブーたれていたのが、遙か遠い昔のように、日ごと寒さがつのります着てはもらえぬセーターを編んでいる(もちろん、そんなもん編んでませんが季語みたいなもんと思って欲しい)今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょう。
昨日はこっちでも木枯らしが吹いたそうで、すきま風があんまし寒いんで、意を決し部屋を掃除し、ファンヒーターの風で埃が舞い散らないようにして、暖房を入れました。そいと、今日はインフルエンザの予防注射をしてもらいました。
先々週、またも、映画の本、読んでしまった。
一日では無理だったが、ほぼ、一気に読んでしまった。
大好きな映画「紅の流れ星」の監督である。
高いしぶ厚いが、そのほとんどが、映画監督舛田利雄、のほぼ全作品について本人にインタビューした内容だから、見ていない作品の方が多いオレですら、かなりオモシロかったから、映画好きな人、特に日活映画とか好きな人にはたまらないだろう。
裕次郎旭赤木圭一郎らの日活黄金時代から、落ち目の日活、ニューアクション時代を経て、「トラ・トラ・トラ」の黒澤明のピンチヒッター、日活がポルノになってからは、宇宙戦艦ヤマトの監修やら戦争映画やら、数々の大作映画から近藤真彦のアイドル映画まで。池田大作の「人間革命」まで、撮ってなさる(その宗教団体とは全く関係ないそうだ)。
何度も書くようだが、オレは映画に詳しくなく、暇な時、たまたまチャンネル、かちゃかちゃやったら、チャンネルNECOやサンテレビとかで、日活アクションやってたら、観る程度だが、そいでも、ああ、これもあれもそれもこの人が監督だったんだ、と思うと感慨深い。リアルタイムで観た(それもテレビ落ち)のは「宇宙戦艦ヤマト」ぐらいか。
どうも、歌謡曲もそうだが、最近は、「天才」とか「巨匠」よりも、職業に徹した人の作品から、感銘を受けることが多い。もちろん、天才監督が、予算は青天井、キャストはオールスター、最高のスタッフを揃え、一週間も天気が自分のイメージ通りになるまで待ちながら作る人も立派だけれども、限られた予算、限られた人、限られた時間内に、お客さんが満足できる水準のものをつくる、ちゅうこともスゴいことなのである。まあ、実はそれが映画に限らずほとんどの仕事というものがおかれている条件であるから、年取ってそういうことがわかってきたからかもしれん、そうじゃないかもしれん。
まあ、ともかく、オレが愛してやまない、ラジカルでアナーキーなもんは、ATGなんかより、プログラムピクチャーの方に多いし、ヒップホップやパンクよりも、歌謡曲の方に多いのが、実のところなのである。
あと、以前、感想文書いたことああるが、小林旭の「完全な遊戯」も舛田利雄監督の作品であったのも驚きだったし、また、オレが見たとき、どうしても不可解というか、なんか終わり方が安易やのう、と釈然としなかったのだけど、やはり、上層部と映倫からクレームがついて、あれやこれやカットしたり、改変したそうである。シナリオのカットした部分がこの本には載せられていて、かなり、納得した。