2008年11月25日火曜日

由紀さおり「夜明けのスキャット」

 金融恐慌がおきて、なんか、ガソリンが安くなり、ハイオクで130円ほどまで下がり、ホンマにエエことである。
 昨日は久々にクルマで氷上郡あたりまで、バカ走り。おかげで沢山音楽が聴けました。
 
 ようやっと、由紀さおりの「夜明けのスキャット」のアルバム手に入れた。9月頃、再発なったのだが、先週末ようやっと手に入れた。
 しかし、東芝、偉い!紙ジャケットでちょっと高いがボーナストラック6曲も入っている。

少女時代から姉の安田祥子と共に本名の「章子」名義で童謡歌手として活躍。1965年にキングレコードから「ヒッチハイク娘」(安田章子名義)で歌手デビューを果たすも、まったくヒットせずしばらく停滞の時代に入るが、1969年再起をかけた「夜明けのスキャット」が当時の深夜番組でBGMとして使用されたことを機に大ヒットし、最終的には150万枚のミリオンセラーとなり、この年NHK紅白歌合戦にも初出場を果たす(以降1978年・第29回まで10年連続出場)。
由紀さおり - Wikipedia

 まあ、「夜明けのスキャット」はスゴい歌謡曲で曲の大部分が「ルールールールー」とかのスキャットでできており、歌詞もかなり抽象的な、平たく云えば、なんのことか、ようわからんが、なにやら、雰囲気だけはわかるという非常に、ラジカルな曲なのである。


 最初、このアルバムを通して聴いた時、曲の始まりが、ほとんど、ルルルルルーとかシュビデュビやらッパッパパヤパッとか、スキャットで始まっており、まあ、「夜明けのスキャット」のあまりのヒットで、もう何が何でも無理矢理、スキャット入れた感じがしたわけだ。

 ところが、クルマの中であらためてちゃんと聴いたら、これがメチャクチャにいいのである。
 特に、佐良直美の「私の好きなもの」(1967年永六輔作詞・いずみたく作曲)、倍賞千恵子の「結婚します」(1969年 松竹映画「結婚します」の主題曲 岩谷時子作詞いずみたく作曲)のカヴァーの出来が尋常でない。
 たとえば、「結婚します」の導入部のスキャット、「ッパッパパヤパッ」など、ふわふわとした幸福感というのか、あまりにも手放しな安心感で、逆に不安になってくるほどだ。
 「私の好きなもの」も佐良直美の方は、好きなものをむしろ淡々と羅列していって、最後に「あなたが一番すき」で締め、とても粋な感じがしたものだが、由紀さおりの方は、「あなたが一番すき」がメイン、もう有頂天、踊りまくるほど喜んでいる感じがする。

 ボーナストラックに入っている「男と女」や「白い恋人たち」とかのスキャットの定番ソングでは逆に、由紀さおりのスキャットでは、包容力が過剰な感じがして、クドい感じがしてしまうのだが、「私の好きなもの」と「結婚します」とかの歌謡曲歌謡曲した曲での、スキャットによる幸福感の表現、というのは、ちょっと他では見あたらない。

 アルバム、CD化どんどんして欲しいもんである。


"夜明けのスキャット(紙ジャケット仕様)" (由紀さおり)

01. 夜明けのスキャット
02. 女ひとり
03. 男と女のスキャット
04. 私の好きなもの
05. 真昼のデイト
06. 結婚します
07. 天使のスキャット
08. 夜明けのうた
09. タ・ヤ・タン
10. 悲しきハミング
11. 青いスキャット
12. この恋を抱きしめたい

BONUS TRACK
13. バラのためいき
14. 恋心
15. 恋は水色
16. 知りたくないの
17. 白い恋人たち
18. 男と女

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