2018年11月11日日曜日

鳥になった少年 キイハンターバージョン25時発国際線逃亡ルート

 1970年、4月26日、神戸西部の某小学校の間で、熱狂に包まれていた。

 前の日に放映されたキイハンター108回「25時発国際線逃亡ルート」の中で、高見エミリーが唄った、ちょっと悲しくなって、胸がキュンキュンしまくった歌、好きになってしまったからだ。好きなことを話しはじめると、熱狂する、それだけだ。

 みんな、うろ覚えで覚えた歌詞をうろ覚えのメロディで唄ってみるが、やっぱ、どこか違う・・ああぁ・・・。ドラマの方もこの曲の歌詞にあつらえて作ったような、脱走米兵を扱った刹那いストーリーで、ワシらちびっ子たちは、みんな各々、うろ覚えの歌詞で、歌ってみては、「歌詞合わせ」をし、「メロディ合わせ」をしたものの、どっか、あやふやで、やっぱ、昨日キイハンターで高見エミリーが唄ってたのを聴きたい・・・と、胸がキュンキュンし、ついには、胸をかきむしらんばかりのレベルまで到達したほどである。

 まあ、歌そのものの謎は、やがて(とは、云っても大学生になって、「懐かしの名盤」シリーズで、だが)、新谷のり子の「鳥になった少年」ということがわかり、もちろん、すぐに手に入れ、繰り返し何度も聴いた。でも・・・、でも、やっぱ、違うのではないか、あのキイハンターで高見エミリーが歌っていたのとは・・という疑問は払拭できなかった。

 ネットで調べたら、

 「この歌知りませんか。昔、高見エミリーがドラマの中で歌っていました」とか、ワシらの小学校だけじゃなかったみたい。
 
 そして、ついに、ここに、キイハンター108回「25時発国際線逃亡ルート」での高見エミリーのバージョンの動画をお見せする。
 例によって例の如し、ほんと、このブログ見てくれる人だけの限定公開であるから、そのつもりで、なおこのブログは厄介なことに巻き込まれたら、自動的に消滅する。

 ドラマでは2ヶ所。なんの脈絡なく「鳥になった少年」唄いながら登場する高見エミリーのカワイさは、これは、もう、この世のものと思われず・・・(てなこと延々と書き連ねそうなのでここでやんぴ)。オリジナルの新谷のり子のバージョンと聴き比べ、とかの野暮なことはやめておく。高見エミリーが唄ってる。そして、高見エミリーの「鳥になった少年」にワシら小学生は熱狂した。それだけである。

 突然唄いながら現れてくるシーン。すばらしい!!! 思いクソぶりっ子しているように見えるが、天使がフツーにこの世に現れただけの平凡なシーンである。





悲劇的なラストのあと、もう一度唄う。 ああ、この余韻・・・味わう間もなく、丹波哲郎の決めゼリフ、そして、キイハンターのエンディングテーマで、「現実」に引き戻される。



 

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