寒くなりました。備えあれば憂い無しで、パッチを履いて更新しています。恐らく、最も早く、関西で、パッチを履いたオッサンのひとりであることでしょう。
"CHALLENGE!(紙ジャケット仕様)" (内田裕也とフラワーズ)
ようやっと、音楽ネタ。
内田裕也とザ・フラワーズの1969年のアルバム、「チャレンジ(+5)」が届いたんで聴いてます。
ちょうどグループサウンズからニュー・ロックに変わる頃の、アルバムですな。ボーナストラック5曲入っている。
実を云うと、三つ子の魂百まで、遙か昔の中学時代、昼飯二週間抜いて買った、フラワーズの後身バンド、フラワートラヴェリングバンドの「メイド・イン・ジャパン」聴いて、あまりのクソさが今の今まで、トラウマで残っていて、もうGSやニュー・ロックのバンドばんばん聴いた今でも、えらい警戒心を持って聴きました。
もちろん、フラワーズ、アルバムで聴くのは初めてですが、いろんなコンピに入っている曲は聴いていて、特に、「君恋し」「ウィ・アー・フラワーズ」(これらは映画の音)、シングル盤として発売された「ラスト・チャンス」は大好きな曲ですし、グループ自体全然ちゃうのに、なにぶん、人間が小さいもんで、30数年前のフラワートラヴェリングバンドの怨み、まだ忘れられなんのわけですわ。
で。
聴いた。
エエやんけ。
曲の始まる前、外人か日本人かわからんけど、小さな英会話が入っているんですが、もちろん、ワケわからん。アルバム自体、日本語のロックなんか歌えるか、ちゅう内田裕也のバンドなんで、全曲英語なんですわ。
自称したんかその辺知りませんが、麻生レミちゅうたら、「和製ジャニス」ちゅうだけで、ジャニス・ジョプリンの曲、ひい、ふう、みー、四曲、このアルバムではカヴァーし、麻生レミがヴォーカルしてます。ジェファーソン・エアプレインも一曲。
「ふたりだけで」(コンビネーション・オブ・ザ・ツーのこと)、「サマータイム」についてはオリジナルを超えていないものの、ただ、これらの超メジャーな曲をカヴァーしようという心意気。
ジャニス・ジョプリンでは多分マイナーな曲「イントルーダー」では、オリジナルを大胆に変え、ついに、カッコ良さでオリジナルを遙か超えた出来になってるような気がします。
和製ジャニスというキャッチフレーズがある一方、一説ではむしろグレース・リックに似ているちゅう意見もあるんでジェファーソン・エアプレインの曲も一曲あるんでオリジナルと聞き比べてみました。
歌詞にメード・イン・ジャパンが入っているからか、これも渋い選曲な気もします(Crown Of Creationちゅうアルバムに入っとる「グリージー・ハート」。これも、原曲と聞き比べてみたら、このフラワーズの麻生レミの方がエエ。グレース・リックの唄い方ちゅうたら、ある程度溜めてから、こぶし入れたり抜いたり、くるくる回しながら、ばっと止める感じなんですが、似ていると云えば似てる。
麻生京子の頃は二流の青山ミチみたいで、なんかもうひとつだったけど、麻生レミになってからの声はわりと好きです。
今回英語でのヴォーカル聴いたんですが、ウチの国の歌手がよーやるように、聴いたまま、カタカナに直して歌っているという感じがしないし、逆に、変に英語慣れして、巻き舌エロキューション逆にイヤミとかいう気もせず、その点も、良かったです。
まあ、原曲と聴き比べてあーだこーだ云うてもしゃあないわけです。まあ、オレの趣味ということで。
英語でしかもオリジナルよりカッコ良くちゅう内田裕也のもくろみは成功したんかもしれません。まあ、いろいろ意見があるやろけど、当時としては、一度は、通らなアカンかった道、ちゅうやつでしょう。
でも、オレとしては、ここはひとつ、素直に、漣健児に訳詞してもろて、やっぱ、日本語でのジャニス・ジョプリンのカヴァーとか聴いてみたかったりする。ちゃきちゃきな江戸っ子のジャニス・ジョプリンとか、粋でいなせなジェファーソン・エアプレインとか。
今はこの5曲のボーナストラックに入っていた、グループ・サウンズ、グループ・サウンズ然とした曲、「夜霧のトランペット」(作詞橋本淳作曲筒美京平)の湿り気のある麻生レミのヴォーカルに聴き穂惚れている始末。
最初にフラワートラヴェリングバンドよりも、このアルバム聴いていりゃなあ・・・・・