2008年8月28日木曜日

RURIKO" (林 真理子)読む


 RURIKO、読む。


"RURIKO" (林 真理子)

 浅丘ルリ子(浅丘ルリ子 - Wikipedia)が主人公の小説である。

 「小説」とある以上、「ノンフィクション」じゃないわけだが、まあ、事実にかなり基づいていると考えられる。林真理子、苦手な作家・・・ちゅうより、男が読むことを拒否している部分があったりするので他の本は読んだことはない。それでも、この本は、一気に読んだ。

 のっけから、舞台は戦前、満州国の描写からはじまり、やがては、あの満映の甘粕正彦が登場し、4歳のルリ子を見た瞬間、父親に「女優にしなさい」と託宣するかのように言い放つのである。正直、林真理子、文章が大嫌いなのだが、このあたり、ツカミの力はスゴい。甘粕正彦・・・アナーキスト大杉栄を虐殺し、やがては満州国という国をでっちあげてしまう人物で、オレなんかは、ある種の想像力をひどくかき立てられる人物で、かの矢作俊彦氏がアマ★カス!なる小説を・・・まあ、どうでもええか。

  浅丘ルリ子、やがて、終戦のドサクサが終わりあれやこれやで、15歳になって3000人の中からオーディションで、当時、再開したばかりの日活に入って、以降、子役から娘役へ、そして大人の女優になっていくわけである。これからは、びっくりするようなスタアたちとの恋愛が明らかにされるが、まあ、こういうところ、林真理子の林真理子、みたいなもんで、読んでいただくしかない。 オレは、「憎いあンちきしょう」(アマゾンへのリンク "憎いあンちくしょう" (蔵原惟繕))、猛烈に観返したくなった。そう、あの映画、かなりホンマモードだったのであーる。 


 以降、石坂浩二との結婚やら、昭和末期の石原裕次郎や美空ひばりの死を経て石坂浩二と離婚やらの現在に至るわけだが、何度となく美空ひばりとルリ子の電話での会話が挿入され、それが、ひばりのその時折の状況や、二人の別のタイプの「スタア」のタイプの違いを際立たせており、涙なくしては読めない部分もある。オレの美空ひばり観が変わった・・・つまり、美空ひばりがほんのちょっと好きになりかけている・・ほどである。いや、小林旭観も石原裕次郎観も変わってる・・・・・これぞ、おそらく林真理子の作家としての力であろう。


 そやけど、まあ、不満を言えば、映画がアカンようになり日活をやめて以降も、テレビ、テレビで主演ができないようになると、演劇で成功、と時代や自分のライフサイクルの変化に見事に順応できたのが、なんでか、もうちょっと、深く・・・そしたら単行本一冊で終わらないか。

 あと、この本を読んで、浅丘ルリ子像を確立させて、変に偶像化して神棚に納めて、柏手を打つような存在にするのは良くないと思う(注 そういうノリで書かれている)。
 そうやって、昔の日活アクション見たら失望するのがオチである(芦川いづみの方がずっとカワイい時があった)。


 ちゅうことで、本の感想はここで終わるが、浅丘ルリ子のこと、もうちょっと書きたいんで。
 オレとしては、ようやっとチャンスを掴んだ小林旭を何度も流れさすらわせは何度も迎え、次の手が打てなかった太りかけの石原裕次郎に再び光を放たたせ、寡黙な渡哲也を饒舌に軽薄にし、そして、あの寅さんにプロポーズさせた(註 全部映画の話である)浅丘ルリ子。そっちのノリで70年代以降も乗り切って欲しかった。彼女の相手役を務めることで、多分、男のスタアが何人も生まれただろう。 
 
  かえすがえすも、60年代、ウチの国から「映画」という一つの産業が消滅してしまったことが悔やまれる。 
 


"日活アクションの華麗な世界―1954-1971" (渡辺 武信)

2008年8月26日火曜日

唇悪し初秋の夕暮れ

 めっきり涼しくなった。昔なら、秋の訪れにガラにもなくセンチになったりしたものだが、今はじぇーんじぇん。ぐっすり寝れるし、第一、毎日、熱中症一歩手前の症状に苦しまなくてもすむ。食欲も旺盛になってきて、なんか、このくらいの気温だと、寿司とか刺身とか、生魚系を思い切り喰いたい気分である。

 阿部慎之助、ほんの数日前のビビりまくってたのと同一の人間かと思うぐらい、みちがえる活躍。いったい、オリンピックの野球はいったいなんだったのだろう?

 まあ、 他人の悪口は蜜の味、ネットで星野監督の悪口を探したり、テレビで江本なんかがボロクソ云うていたのを聴いて、むひひひ、と嗤っておったのだが、今、いや、このところの、いや、今季全般の東京ヤクルトスワローズの体たらくをみると、星野監督でもまだマシに思えるから不思議だ。今日も阪神の若手部に負ける(失礼と思うが、スワローズが讀賣に連敗し続けて某在西宮球団系の方々にボロクソ云われ書かれているのをみるにつけ、口がすっかり悪くなりました)。

2008年8月25日月曜日

プロ野球 - 野球 - SANSPO.COM

 讀賣に負けて阪神に勝ったら、阪神ファンにボロクソ云われるので、今日は、負けて、ほっとしとる・・・わけない。しかし、マジック出て、8月の段階でこんだけ、ゲーム差開いてぶっちぎり間違い無しなのに、尚かつ、勝とうとする。球界のスクルージ爺さん(クリスマスキャロル)め。

 それはそうと、八月、スワローズ、神宮で勝ってないんだって。

【戦評】
 阪神が4連勝。七回一死二、三塁から代打桜井の内野安打、赤星の犠飛で均衡を破る2点。八回は鳥谷の10号ソロで加点した。6回無失点の安藤が自己最多の12勝目をマーク。拙攻続きのヤクルトは、2試合連続の零敗で4連敗。

[From プロ野球 - 野球 - SANSPO.COM]

2008年8月23日土曜日

北京オリンピックを振り返る(まだやっているけど)

 ボイコットして(ちゅうても中継は一切観ないということだけだが)正解でした。ストレスを「貰うこと」もなかった。

2008年8月22日金曜日

八月二十二日

 野球は全然期待してなかったから、あんなもんだろうが(だって、北京行く前から監督が某在西宮球団監督時代のノリと一緒だったもん=往年の某在西宮球団並みの試合しかできないのは当たり前)、陸上でジャマイカがあんなにブレイクしまくるとは思わなかった。

 で、お祝いに、iTunes Music Storeでレゲエ、アルバムで2枚ほど買う。

2008年8月21日木曜日

ボイコット一時中断

 北京オリンピックボイコットしとったのだが、神宮がノーゲームになったので、ソフトボール、つい観てしまう。
 まあ、ピッチャー上野、昨日2試合310球投げて、それだけでも、もうメチャクチャや、ちゅう感じやのに、また今日も投げ、しかも、一点に抑える好投ぶり。往年の稲尾でも、こんな凄い球数投げなかっただろう。まさに超人的。

上野投手一問一答-ソフトボール
 ソフトボールで悲願の金メダルを獲得した日本のエース、上野由岐子投手の一問一答は次の通り。
 -決勝はどんな投球を心掛けたか。
 きのうのオーストラリア戦(3位決定戦)で思ったより体力を消耗した。スピードよりも回転、切れで勝負しようと。スピードが落ちる分、変化球を交えて制球良く、いかにボール球を振らせようかと思った。
 -2日間で3試合を投げ切ったが。
 日本では3日間で5試合ということがある。球数的には苦しくなかった。ただ、世界のトップ選手がいる五輪でこれだけの球数なので、体力だけでなく、精神的に頭がパンクするぐらい疲れた。
 -3連投できた理由は。
 球数は多かったが、気持ちの面で勝り、疲労感もなかった。勝ちたい、負けたくないという気持ちで投げ切れたと思う。
 -一番つらかったのは。
 アテネ五輪後、次の五輪という目標が遠過ぎて、モチベーションを上げるのが難しかった。五輪で金メダルという自分の夢との間を何度も行き来して、保ってくることが一番難しかった。(北京時事)

[From Yahoo!スポーツ - 北京オリンピック特集 - ニュース一覧 - 上野投手一問一答-ソフトボール]
 星野ジャパン、監督がイモいので苦戦しているみたいだが、是非とも、ソフトボールにあやかって、藤川球児君を残り試合全部を先発完投で任せるぐらいの荒療治が必要だろう。金メダル獲った後のことなど考えずに(特定の球団に対するあれやこれやはありません、日本チームを心から思ってのことです)・・。
 

2008年8月19日火曜日

浦沢直樹の「20世紀少年」

 朝夕、ちょっと過ごしやすくなったか、と思わせるぐらい風が吹くようになった。
 
  まあ、星野監督は名監督と云われているが実は・・・ちゅうのを書こうと思ったが、今日のヤクルト讀賣戦のあとではよう書かん。

 休みの間、浦沢直樹の「20世紀少年」(完結編「21世紀少年」上下あわせて、全24巻)、読み返そうと思ったが、途中であんましにも腹が立ってきたので、やんぴ。そのかわり、広瀬正の超名作「マイナス・ゼロ」を数十年ぶりに読みかえした。

 「20世紀少年」、だいたい、何巻か費やして、ようやっと、ついに次に「謎」がわかるかと思って、ワクワクしながら、ページをめくると、全く新しいエピソードが始まって、「謎の解明はどうなったの?」と思うが、その次のエピソードがそこは浦沢直樹の天才なところだろう、オモシロいので、ついつい、その新しいエピソードにひきこまれてしまう。これが、3回以上あったように思う。あんましにも、この手使うから、読み返した場合、もの凄く腹が立ってくるわけよ。

 小学校の時、遊んでた連中の中から、世界征服するヤツ(ジンギスカンかよ?)がおり、それを残りが「正義の味方」となって、 阻止しようとする・・・この設定はホンマ、スゴいし、最初の頃のまるで悪夢のような雰囲気は素晴らしい。でも、ひらたくいえば、まあ、数十年に渡る「同窓会」物語とも云え、そこの部分に酔ってしまった感じがするのだ。
 
 オモシロいのは、「よげんの書」までであとの「しん・よげんの書」以降は蛇足にしかおもえん。  
  映画も近々公開されるそうだが、マンガ読んでた時感じた「長すぎる・・・」感がなくなれば、スゴい作品になるだろう。

2008年8月17日日曜日

奇跡の組み合わせ

 昨日、いつものように須磨寺へ散歩に行くと、盆踊り大会やってて、須磨旧市街地の全ガキが集まったかの賑わい。
 生和太鼓入りの「東京音頭」がかかって、とても嬉しかったです。広場の裏は山で囲まれていて、前は大池、オレは犬連れだったので、池の対岸で聞いたのだが、音的に凄く広がりが出て良かった良かった。山から吹く風が池の水面をちょっと波立ててたりして。

 休みの間、ブログの整理をしようと思てたが、 夏バテでアホになっているらしく、うまくいかんかった。

   前、一度紹介したと思うが、ほんま、この前、1965年のサンレモ 音楽祭での伊東ゆかりに匹敵するほど嬉しかったのは、日本初のプログレバンド四人囃子と、弘田三枝子の組み合わせの「空と雲」。75年のFMラジオからの録音らしいが、奇跡の組み合わせである。

 四人囃子は、ファーストだけ、めちゃくちゃ好きで、その中でも、「空と雲」が一番好きだったーいや、「おまつり」が一番でその次に好きかも、まあそれはどーだってえーことだが、まあ、それもどーだってええことだ。

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2008年8月13日水曜日

幻の「ローズ・マリー」と「ブルーシューズ」のダンスバトル

 お盆。
 オリンピックボイコットしとる上、スワローズがスワローズが・・・だったので、この前に引き続き、宝田明主演1968年の「100発100中 黄金の眼」、佐藤允がやっているオーディオコメンタリーの方にして、観る。
 
 オーディオコメンタリー、いろいろわからなかったことがわかって面白い。おお、最初の主題曲、スキャットがやたらカッコ良かったが、あれを唄っているのが、なんと、あの久美かおり !(曲名ゴールデン・アイ 作曲佐藤勝作詞谷川俊太郎)。出演していないから、意外だった。
 
 久美かおりの「ゴールデン・アイ」、オレが一時期バカみたいに聴いていた「髪がゆれている」とか「レナウンのCM ワンサカ娘」並みに、めちゃめちゃ、カッコ良い。「ゴールデン・アイ」では声はかすれたような低音が、おとなおとなしていて、かなりセクシーで素晴らしいの一言に尽きる。彼女、アイドルっぽい曲は、苦手だったのではないだろうか。

 YouTubeにあげてみたいが、モロに東宝、ナベプロとメジャーどころ刺激しまくる気がして、そいだけの根性ない。それよりもなによりも、YouTubeに上げるまでの動画作るまで、膨大な時間がかかることだし。誰か、オレ以外の数奇者に期待。

   NHK、朝の連ドラ「瞳」だが、急展開ばっかで、ついにとうとう、伝説のダンサーが鰹節売りになってしもたがな。それはそれで下町っぽいエピソードでエエのだが、オレが期待していた、「ローズマリー」と「ブルーシューズ」のバトルはあれ以来、なんどもチャンスがあったのに、無く、ローズマリーは解散、ブルーシューズも改心して大阪へ帰ってしもた。ブルーシューズ、だいたい、チーパスともバトルしてもええ展開だったのに、あっさり改心してどないすんねん!!!「せ、責任者でてこーい!(故人生幸郎師匠の口ぶりで)」。

 「Wild Style」より好きな(好きだった)「Beat Street」のダンスバトル。ひょっとしたら、この程度のダンス、「瞳」が終わった後ちょこっと出てダンスしている連中より下手なんだろうが、ずっと、「自由」を感じてしまう。もちろん、黎明期と円熟しまくって糜爛状態にある今と比べたらアカンのだろうが、ひょっとしたら、日本人(というか汎エイベックス系の人々)、ヒッポホップ、受験勉強よろしく偏差値あげること目当てで「勉強」してしもたんでは?まあ、今や何の関わりもないからエエけんど。

 

2008年8月12日火曜日

「100発100中 黄金の眼」より沢知美「モッカラ・ゴーゴー」12th August 2008

百発百中・黄金の眼


"100発100中/100発100中 黄金の眼(ツインパック)" (宝田明, 佐藤允)

 おばんでやんす。
 
 沢知美の動画、YouTubeにアップした。

宝田明主演の東宝映画「百発百中・黄金の眼」

100発100中 黄金の眼(1968))、

ワケのわからん言葉で歌っているが、さすがは昭和43年の映画、これぞ、昭和元禄ハレンチの象徴みたいに、次から次へと衣装がかわってカッコいい。


  この映画の主題曲の方もジャジーで(この単語、生まれて初めて使った)カッコいいスキャットがグッとくるのだが、下手したら、同じく出演している前田美波里の方かもしれず、確認中。

  この映画、映画マニヤの人はどうかしらんが、だいたい、前田美波里・沢知美という当時のハクい女優ツートップ体勢でほぼ、でずっぱりで、アクションシーンはあるわ、場面場面で衣装は変わるわ、オレなんかは大喜びである(昭和43年当時、フツー、世の中には、菅井きんさんや三崎千恵子さんの若いころみたいなおねえさま方たちであふれていたのであーる、今のように研ナオコレベルや山田花子レベルのおんなのこがうじゃうじゃしとるしあわせな時代ではないのであーる)






 沢知美、過去、CDの感想文書いたことがあるが、女優や11PMのカヴァーガールしてたことぐらいしかわからん。googleったが、詳しい経歴わからず(出演映画はわかる沢知美 (サワトモミ))、また、CDもひっくりかえしてみたが、詳しい経歴等載っていない。



 CDは映画の翌年、昭和44年(1969年)なのだが、上の動画のような、ぱっとした明るさなど微塵もなく、しっとりとした大人の薫りが濃厚で、たった1年で、進化というか変化の大きさに、昭和40年代の時代のスピードちゅうもんをひしひしと感じるわけである。

"人の気も知らないで" (沢知美)

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