いくでぇ。
鈴木いづみの「恋のサイケデリック」(恋のサイケデリック! (1982年) (ハヤカワ文庫―JA)
今はこっちで読めます鈴木いづみコレクション〈3〉 SF集(1) 恋のサイケデリック!
)である。
1982年(文庫本出版時)なのである。
しょっぱなの短編「なんと!恋のサイケデリック」は、おそろしいことに、ザ・デイビーズの「恋のサイケデリック」の歌詞の世界にインスパイアされたと思われる「SF」なのだ。
まあ、当時、オレ、読んで、どう思ったのだろう? アホだったんで、覚えていない。もちろん、SFとして読んだので、多分、ここに出てくるグループサウンズの数々まで、鈴木いづみがでっちあげた架空のもんかと思ってたかもしれん。そう、1982年当時、グループサウンズは闇に葬り去られ、無かったことにされた、ジャンルであった。
自炊して、読んで、狂喜乱舞した。
出てくる出てくるグループサウンズ、それも、B級GS、いやもう、カルトGSとして後世、再評価されまくる名曲の数々が。
そして、GSとは何か、というものに、ばっさり、次のように。
「ひとくちでいえば、音楽性はわけがわからない。無内容の極地。・・・・・今現在のルースターズやモッズがGSよりおちるのは、ある程度の音楽性はあるからだ」
GSは「無内容の極地」・・・いやあ、スカッとしますな。まさに、だから、好き。
小説には、ちゃんと、1971年ゴールデンカップス末期というか解散状態に、ゴールデン・カップスのグルーピーを引き継ぐシーンとかあって興味深いが。
あまり小説の感想を書きたいというより、鈴木いづみのグループサウンズの聽き方、というのが興味があって、一応、作中にでてくる、主にグループサウンズの曲名と、グループ、主人公れいこの感想を抜き出してみた。実は数カ月前からちょぼちょぼやってたんだが、抜けとかありまくるし、Youtubeで元歌リンクしたいのだが、それやると、いつになるかわからないから、とりあえず。 GSだけじゃなく、小説の書かれた頃の、YMOやらストレイ・キャッツとかも出てくる。
以下、曲名、グループ名、作中での主人公の感想等。例によって、抜けとかあるけど、ごめん。()はBGMだったりする曲。
恋のサイケデリック ザ・ディビーズ
君に会いたい ザ・ジャガーズ
恋はもうたくさん ザ・ダイナマイツ
ダイナマイツの「トンネル天国」のB面。A面よりはるかにすぐれている。(じつは、バックはスタジオ・ミュージシャン)リズム&ブルースで、しかもシャウトしていない。わざと。歌い出しは「キザなセリ フで恋におぼれた」という。うわっ、と声をあげて、れいこはよろこんだ。そのつぎは、ずうずうしくも「おまえの好きなおれのくちびる」だって。いいわ、いいわ。このうねぬぼれさかげんが、まさにちやほやされている男の子という感じで。グルーピーが寄ってくるのを「うるせえな!」とけとばしている。泣くのは女の子なのに、本人がつらいみたいに、うまく、ごまかしている。女の子は最後に「おれのからだ」にすがりついてくる。
君だけに愛を ザ・タイガース あなたが欲しい ザ・ハプニングス・フォー
上品ぶった少女趣味が全盛だった。
愛のリメンバー ザ・バニーズ
「「恋はもうたくさん」 ザ・ダイナマイツ、『愛のリメンバー』 ザ・バニーズうわーッ、すごーい!ほしかったのよ、こういうの。どうしたの?持ってなかったでしょ、こんなレコード」
エミー・マイ・エミー ザ・ボルテージ
このヴォーカルの声質がよかったのよね。ショーケンのまねして。
(午前三時のハプニング ザ・ゴールデン・カップス)
(モージョワーキン、スプーンフル、ショットガン、59番橋の唄、ブラック・イズ・ブラック )
哀愁でいと 田原俊彦
君に贈る言葉 田原俊彦(+近藤真彦+野村義男) 土下座するしかない。負けました。かないません。かんべんしてください。
(オレは武田鉄矢の贈る言葉のカヴァーか、と思ったらちゃいましたわ・・・。動画観て、オレも同じこと思いました。かんべんしてください!)
(狂った果実、エスピオエナージ アリス) れいこはわらいころげた。のたうちまわった。画面を指さして「最高、最高」と叫びながら。
マイ・ラブ、マイ・ラブ ザ・ヤンガース
息を詰めて歌ってるような、密度の高い引き締まった声質、非常にきれいなヴォイスだ。テクニックもすぐれている。「わたしGSには抵抗できないのね」
恋よ、恋よ、恋よ ザ・タックスマン
どうしようもなく強力だったアリスのイメージは、ここでぬぐいさられた。
ダンシング・ロンリー・ナイト ザ・ジャガーズ
ジャガーズのリード・ギターの沖津ひさゆきは、日本でファズを使った。曲は「ダンシング・ロンリー・ナイト」・とたんにミキサーがとびだしてきて、「アンプがこわれてる!」と叫んだ。
(出船、とおりゃんせ、母の歌、子守歌 ジ・オックス) (もう一度人生を ザ・ゴールデン・カップス)
(あなただけを ジェファーソン・エアプレイン)
(ふたりのシーズン ゾンビーズ)
(絶望の人生 ポール・バターフィールド・ブルース・バンド)
(シーズ・ノット・ゼア ザ・ゾンビーズ)
(ラブ・ポーション・ナンバー・ナイン ザ・サーチャーズ)
涙のランナウェイボーイ ストレイ・キャッツ 夕日(陽)と共に ザ・ワイルドワンズ
ライディーン YMO
吐き気がする。
東風 YMO
これなんですか スネークマン・ショー
ケメ子の歌 ザ・ダーツ
帰って来たヨッパライ ザ・フォーク・クルセダーズ
「わたしはちっともよくないわ」「どうして?おもしろいじゃない!」「だってコミック・ソングだから。ひとをわらわせるためにつくってるからよ。まじめにやってて、それこそいっしょうけんめいに本人たちはやっているけどわらえる、ってのが一番おもしろいわ」
鈴木いづみの1970年あたりの動画。この1年後、ゴールデン・カップスのグルーピーになるんか・・・。長編「ハートに火をつけて(誰が消す)」の方がそこいらは詳しい。