「日本のロック名盤ベスト100」(川崎大助著 講談社現代新書)を読む。
「風街ろまん」が1位とするような人の書いた本で、当然、オレとは音楽への態度が異なる。
ただ、ロックベスト100に、ランキン・タクシーやらスチャダラやミュート・ビート入っているんで、もしや?と思った。けど・・。
それでも、ランクそのもの凄い。半分ぐらいしか、知らんけど、面白く読めた。
ランク付けが終わると、「第二部 米英のロックと比較し日本のロック全歴史」では、最後のあたり、ず~~~っと、愚痴りながら説教されているようで、しんどかった。ロック教条主義は言い過ぎかもしれないが、少なくとも、ロックによって世の中を変えることができると、信じているようである。米英のロックといつまで、比較せなあかんのだろう?
やっぱ、本の題名に「ロック」つけるぐらいなら、読む側を、「おおおおおおお!!!」と思わせてくれないと、淋しい。
悪いが、オレは、クリントン元大統領とストーンズの話ができても、なーーんも魅力を感じないんである。
ま、そんなことはいい。買った方が悪い。読んだほうが悪い。
第二部で、GS(グループ・サウンズ)に関してボロクソ書いてあり、この点に関しては、(ムフフ)である
「・・・似合わない不格好なマッシュルームカットして、振り付けを覚えて、『歌謡曲』としかいいようないロックもどきを、60年代後半になってもやる」(前掲書195ページ)
まあ、この一文が著者のGS観を表している。たしかに、実際、当時、GSやってる方々も、そう思ったからこそ、「ニュー・ロック」路線を取ったわけであろう(これが日本の音楽の最大の不幸とオレは思っている)。
80年代後半の近田春夫による、B級GS観、90年代の主に黒沢進氏よるカルトGS観等、何度もGSは再評価再再評価再再再評価されているのに、あいかわらずの観点からの評価に終っている。
それに、沢田研二のマッシュルームカットは似合っていた気(http://60spunk.m78.com/tigers.html)がするぞ。GSのみならず、ジャニーズ系は70年代入っても、80年代入っても90年代入っても今の今まで、その路線でやっているわけだし。
レインジャーズの「赤く赤くハートが」聴いて、思わず血が出てしまうほど胸を掻きむしってしまいそうになる、「狂おしさ」、ジェノバの「サハリンの灯は消えず」のかつての領土樺太につい抱いてしまう、かなり危険な「郷愁」、ザ・プレイボーイズ「シェビデビで行こう」の、そのままボケて記憶を失ってしまいそうになる「爽やかさ」、オレは、「風街ろまん」より、これら「ロックもどき」に、「ロック」を感じてしまうんである(少し表現を大げさにしています)。
読後、上記のようなこと思ったからこそ、こうして、今、ひさびさに、GSばっか聴きながら、これ書いているわけで、買って良かった、読んで良かった。
しかし、なんで、今のロックの人たちは、「風街ろまん」を超えるアルバムを作ってくれないんだろう。21世紀でっせ。実はこっちの方が、ずっと、ず~~~っと、問題と思うが。それとも、憲法9条みたいに、一位固定化されてしまった?・・・まさか。