音楽ネタから離れている。まあ、ちょっと一時期、CDをあまり買わなくなってたりした。理由は「高いから」に尽きる。だいたい、渾身の作品「ダークナイト」やマイケル・ジャクソンのDVDが1000円で買える時代だ、果たして、3000円近くするCD、買うのには、セコいオレとしてはかなりの勇気がいることになるわけだ。
ただ、DVDは観るのに2時間はかかるわけで、毎日見るというわけにはいかない。それに、音楽なしじゃ、それじゃ、人生、さびしすぎる、ちゅうもんだ。
で、年末から意識して買うことにしたわけだが、どーも、たった数カ月ブランクがあっただけなのに、CD買うのがすごく下手になってしもて、買えば、クソCD,買えば、手持ちと重複している、買えば、マイナー過ぎる・・・で、しかも、今、実は、キングからザ・ピーナッツの全てのアルバムが復刻されており、買わなアカン買わなアカン、と思いつつ、どうも、その数に恐れをなしているもんだから、こうして失敗したCDを買うたんびに、「ああ、フツーにザ・ピーナッツのアルバム買っとけば良かった」と後悔する始末だ。この分では、たぶん、しばらくして、ザ・ピーナッツのアルバムが入手不能とかになりはじめて、慌てるのだ。
ということで、今日は、そうした「失敗してもたなあ」というCDの中からひとつ。
1. アンチェイン・マイ・ハート(江利チエミ)
2. ちっちゃな時から(浅川マキ)作詞:浅川マキ 作曲:むつひろし
3. 虹色の湖(中村晃子)作詞:横井 弘 作曲:小川寛興
4. 恋の十字路(欧陽菲菲)作詞:橋本淳 作曲:筒美京平
5. サイケな街(万里れい子)作詞:水木ひろし 作曲:櫻井順
6. ブラックルーム(黛 ジュン)作詞:なかにし礼 作曲:鈴木邦彦
7. 本牧ディスコティック(牧陽子)作詞:吉岡治 作曲:中川博之
8. 恋はもうたくさん(ザ・ダイナマイツ)
9. 狂わせたいの(山本リンダ)作詞:阿久悠 作曲:都倉俊一
10. 0のバラード 女の爪あと(杉本美樹)
11. 気分を変えて(香坂みゆき)作詞曲:山崎ハコ
12. ピーコック・ベイビー(大原麗子)
13. 夕焼けのあいつ(泉アキ)
14. 裸足のブルース(中村晃子)
15. 悪魔のベイビー(寺内タケシとバニーズ)
16. やさしいにっぽんじん(緑魔子)
17. ママリンゴの唄(デイヴ平尾)
昨年の4月に出たアルバムで、ピーコックベイビーズというパンクのグループのカヴァー集である。
上記の曲を見て、まあ、フツーの歌謡曲ファンならヨダレ垂れ流し状態にところである。
だが、聞いてみて、どこがパンクなのか、ようわからんかった。まあ、オレが書くことだから、真に受けてもらったら困るが、パンク度で言うたら、遥かにオリジナルのほうが「パンク」っぽさを感じてしまう。いたって、フツーの音に聞こえてしまう。なんじゃコレは?
あの大原麗子の超パンクな曲をこうフツーに歌って演奏してもたらアカンだろう。他の曲も、アナーキーさ、ラジカルさ、過激さ・・それらの要素でオリジナルにまさるものは少ない・・。だいたい、あの泉アキのつんざくようなシャウトですら、どうも、このカヴァーでは腰が引けて、恥ずかしがっているように見える。どうせやるなら、なりふり構わず、もっと、わりきってやってほしかったものである。
ホームページみたいなところへ行ってみると、ああ、なるほど、と納得。
インタビュアー:メンバーみんなが、歌謡曲をカッコイイものと解釈してる?
[From PEACOCK BABIESさんのMySpaceブログ| ]
ヨージ:沢田研二って知ってる?ザ・タイガースっていうGSグループにいて、特に70年代、ソロで活躍した歌手。日本版デヴィッド・ボウイさ。日本の歌謡界における、ギンギンのグラムロッカーだよ。子供の頃の憧れだった。
賀句:60年代の歌謡曲を調べていくうちに、村井邦彦や筒美京平は日本のバート・バカラックだと思ったね。たくさんヒット曲を書いてる。そして、最もすごいのは阿久悠だ。阿久悠は歌謡曲の歌詞における革命家と言える。
沢田研二が日本版デヴィッド・ボウイ???、村井邦彦や筒美京平は日本のバート・バカラック???・・・・意識が低すぎるではないか。そうなのである。まだ、信じられないことだが、彼らの頭の中では、デヴィッド・ボウイやバート・バカラックが上の方にあるのだ。沢田研二も村井邦彦も筒美京平ですら、毛唐越しにしか、理解できないのである。だから、穿った見方かもしれんが、上目線、つまり、ワシら今のカッコええカッコええパンクバンドがわざわざ、これらの曲を取り上げてやっているんだ、ちゅう意識すら、感じてしまう。
鹿鳴館時代の意識でカヴァーしてもろたら困る。同じ問題に悩んだ夏目漱石、読むことからはじめてほしい。
「ロック」の人は、権威に弱くて、エエカッコしいが多いから、しゃあないが。
まあ、威勢のエエこというから、オレも好き勝手云うてしもたが、まあ、オリジナルで勝負するより、カヴァーで勝負する姿勢は買える。それに選曲も60年代70年代混在はともかくとして、まあ、エエ(だから、オレが間違えて買うてしもたのだが)。
願わくば、これのオリジナルをあつめたコンピレーションアルバムが欲しい(緑魔子の「やさしいにっぽんじん」、オリジナルまだオレ聴いたことないのだ)。
ネガティブなことを書いてしもたが、まあ、 ザ・ピーナッツのゴールデンアルバム買わないでこっち買ったのだ、許して欲しい。それにオリジナルとどうしても、比べてしまうから、つい、不満が出てしまう。しかも、アルバム通して10回は聞いての感想である。
そいと、このアルバム、アマゾンでは今は買えないみたいだが、iTunes Music Storeでは1500円で買える。