11月、まあ、税金を納める月でもある。憂鬱である。
このところ、岩波文庫の「太平記」読んでいるんだが、ついに、後醍醐天皇、隠岐脱出成功!!!、俄然、オモシロくなってしもうて、古文アホなりに読むスピードが速くなってきた。まあ、岩波文庫版の場合、各巻に入る前にその巻の「あらすじ」が書いてあるんで、助かる。
このペースで読み進めていくと、もう、一ヶ月ほどで読み終えてしまう、岩波文庫巻二、出ていないんで(と、思ってAmazon探すと、巻二出ていた10月17日発売日)で、ちょっと、「太平記」お休みし、山田風太郎、「室町少年倶楽部」を読む。
「室町少年倶楽部」と「室町の大予言」と2つの中編が入っている。
さすがの山田風太郎も、晩年にさしかかって、忍法帖シリーズみたいな、スゴいことにはならない。
「室町少年倶楽部」は、読み終えて、思わず、「うーん、マンダム」と唸ってしまうほど。
最初読んだのはずいぶん前になるが、以来、足利義政公、ひいては、室町時代そのものが好きになったきっかけとなった作品なんである。もちろん、楠公さん贔屓、ひいては、南朝びいきなオレだが、オモロそうなんだから、しゃあない。
足利義政公が主人公で、フツーの歴史では、足利義政公といえば、優柔不断が原因で、応仁の乱を引き起こし、万人単位の餓死者が出ているのに、遊びまくって、銀閣寺建てたダメ将軍、ということになっている。
山田風太郎のスゴいのは、それらの史実を全部肯定しつつ、山田風太郎自身の価値観を付与することで、強烈な魅力を足利義政公自身に持たせてしまうとこである。
人命第一主義の作家、憲法9条が大好きな作家とかには、とても、できない芸当であろう。
まあ、ホンマ、しかし、これからの、小松左京も山田風太郎もおらん時代、読書家でもない、フツーにオモロい小説読みたいなぁ、と思っている人間にとっては、さびしいもんである。
筒井康隆先生には是非長生きしていただきたい。
/室町少年倶楽部-文春文庫-山田-風太郎
太平記(二) (岩波文庫)