2005年3月22日火曜日

ノモンハンの夏


しく、昨夜突然ネットに繋がらなくなった。何かよくわからん。書庫(物置とも云う)より、小林信彦の本ごそっと引っ張り出したりしていた。ぶりかえしそう

 

末、買ったまま、読むたんびに気が重くなり、読み切れなかったノモンハンの夏根性で読んだ。山本七平とか読んでたので、ある程度は予想できていたものの、やはり、しんどい。

 昭和天皇、ドイツのヒトラー、ソ連のスターリンとかのちゃんとキャラが立った歴史上の人物に混じって、キャラの上では、もう一人、彼らに優るとも劣らないキツーい人物が登場する。参謀にしか過ぎない人物だが、ひっかきまわしまくる。何なんだ?というぐらいだ。普通こういう人物がフィクションに出てきたら、オレなんか、惚れてしまうタイプなんだが、今回ばかりは逆だ、著者同様腹が立ってなんの。
 何せ、大戦前の1939年、辺境の国境線でのちょっとした小競り合いを、まだ交戦状態にある国ではないにもかかわらず、大戦闘にまでおっぴろげ、意地と思いこみと勢いだけで、相手の思うつぼにまんまとひっかかり、師団単位で壊滅状態に追い込み、この時代に早くも玉砕まで生じるほどの惨状。
 結果、1939年、外交上(スゴいのは頼りにしてたドイツがさっさとノモンハンで日本が交戦中のソ連と「不可侵条約」を結んでしまうところ)まだいろんな可能性があったのに、選択肢を狭めていったわけだ。しかも、この人物 はこいで失脚するやと思いきや大戦中もあちこちで、うちの国の兵士をぎょうさん死地に追い込んだあげく・・・戦後はきっちり国会議員までやって、何故か、東南アジアで失踪している。
 

前は「言論の自由」がなかったらしいが、きっちり、参謀にすぎない一個人が「戦争の自由」を行使しとる。普通は国家単位やろが・・  前の戦争は、ともかく、大雑把に捉えられすぎ。細部をみていくと、なんも、今と変わっていないことがわかる。ボロクソ云うまでもない代わりに、賛美するまでもない。

 

かじんの番組で、竹島問題、自衛隊で海上封鎖せい、とか灘高出身の某オッサンが云ってた。

 だからさあ・・  あそこの国の人は、激昂しやすいの。すぐに冷める。
 うちは、激昂しやすい上に、戦争と外交が下手くそな民族やねん。そいで、戦後60年、その努力してその能力が向上したか、というとじぇんじぇんしてへんのとちゃうか?。  
ノモンハンの夏  

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